レブロン・ジェームズ

2週間ぶりの試合で「前回に復帰した時よりもずっと感触は良い」

アンソニー・デイビスとデニス・シュルーダー、そしてレブロン・ジェームズ。主力が久々に揃ったレイカーズは、東カンファレンスの順位争いの最中にいてまだ闘志旺盛なペイサーズを寄せ付けず、122-115で勝利している。

中でも注目されたのは、足首を痛めて6週間ぶりに戦線復帰した後、すぐにまた2週間欠場することになったレブロンの復帰だ。まだ無理をせずにプレータイムは28分、それでも24得点7リバウンド8アシストを記録。レイカーズを指揮するフランク・ボーゲルは「彼本来のタイミングを取り戻すにはもう少し時間がかかりそうだが、大方は良いプレーをしていた。以前の彼が戻って来たと感じたよ」と語る。

4月30日と5月2日にプレーした2試合でのレブロンは、それなりのスタッツを残してはいたものの相手よりも自分の身体を気にしており、リムに向かう迫力はほとんど出せていなかった。だが、万全を期して復帰した今回はプレータイムの制限があった以外はいつもと変わらぬ雰囲気があり、攻撃だけでなく守備でも足は動き、回復が順調であることを印象付けた。

「今は少し痛みを感じているけど、それはもともと想定されていたことだから心配ない」と試合後のレブロンは言う。「前回に復帰した時よりもずっと感触は良い。試合に入ってからも良い感じでプレーできたし、試合を重ねるごとに良くなっていくと思う。すべてを取り戻すには何試合かが必要だろうね。日曜の試合でプレーするかどうかは、コーチとトレーニングスタッフが決めるよ」

明日がレイカーズにとってレギュラーシーズン最終戦。現在は6位のトレイルブレイザーズと41勝30敗で並んでいるが、直接対決の結果で7位に位置している。ブレイザーズが明日の最終戦でナゲッツに負け、レイカーズがペリカンズに勝てば逆転でプレーイン・トーナメントを回避できる。ペリカンズはザイオン・ウイリアムソンを始め主力がほぼ不在の状況で勝ちが見込めるが、そこで万全を期す意味でも、また試合のルーティーンを確認する意味でも、レブロンは本来であれば回避する2日連続の試合でプレーする可能性がある。

アンソニー・デイビスは4月下旬の復帰直後はコンディションが上がらず苦労したものの、この3週間で試合勘も取り戻して本来のプレーを見せている。プレーオフになればもう一段階ギアを上げてくると期待していいだろう。健康安全プロトコルの対象となって2週間欠場したシュルーダーも復帰し、まだ本調子には程遠いが14得点を記録して、とにかくコートに戻って来ることができた。

レブロンとデイビスの長期欠場があったことでレイカーズは勝率を大きく落とし、優勝候補から脱落しかかった。それでもこのタイミングでメンバーが揃ったことで、不安の多くは解消されそうだ。胃の痛い数カ月を過ごしたであろう指揮官ボーゲルは「他の選手たちは素晴らしいプレーでチームを支えてくれていたが、彼はレブロン・ジェームズだからね。コートに戻って来たことで違いが生まれる」と、以前と変わりなく全幅の信頼を寄せる。

ボーゲルは同時にチームの実力を信頼し、プレーオフ1回戦でどこと対戦しようとも気にしないと語る。「まずは自分たちが勝ち、そしてシードが決まるのを待つ。我々はどこが対戦相手になっても恐れない」。そしてレブロンも思い通りに身体が動いたことで、物事をポジティブに考えられるようになっている。「単純なことだ。僕たちは準備ができている」

前年王者レイカーズはどこが対戦相手でも恐れない。上位シードの動きを見ても、レイカーズと当たるのを避けたがっているように思える。様々なトラブルを乗り越えた今のレイカーズは、プレーオフで大事な精神面で優位に立つことになりそうだ。