マイケル・ポーターJr.

「自分たちの力を疑ってはいないし、僕らが目指す場所は変わらない」

ジャマール・マレーは4月12日のウォリアーズ戦で左膝十字靭帯断裂の大ケガを負い、今シーズン絶望となった。セルティックス、ウォリアーズを相手に自慢のオフェンスが沈黙し、マレーとともにナゲッツを引っ張ってきたニコラ・ヨキッチにも疲労が見られ、チームの状況は非常に悪かった。

それでも、現地14日のヒート戦では123-106と快勝。またしてもトリプル・ダブルを記録したヨキッチの安定したパフォーマンスに加え、ゲームハイの25得点に10リバウンドでダブル・ダブルを記録したマイケル・ポーターJr.のアグレッシブなプレーも目立った。ポーターJr.の魅力は打点が高く正確なジャンプシュートによる得点力と、身体能力を生かしてゴール下に飛び込むリバウンド奪取。この試合ではまだまだ苦手のディフェンスにも多くの意識を向け、それが3ブロックに繋がった。

ポーターJr.は2018年のNBAドラフト1巡目14位で指名されたが、腰にケガを抱えた状態でのNBA入りで、2018-19シーズンは公式戦に出場することができなかった。1年遅れでのデビューを飾り、セカンドユニットの得点源として活躍した昨シーズンを経て、今シーズンは先発に定着している。マレーの穴はチーム全員がステップアップすることで埋めなければならないが、その中でも最も期待されるのがNBA2年目で主力を務める彼のさらなる成長だ。

だが、ヒート戦を終えた会見でのポーターJr.は「ジャマールの代わりをやろうとは思わない」と言いきった。「僕はこれまでも自分にできるあらゆる方法でチームの勝利に貢献しようとしてきた。今日もジャマールの代わりじゃなく、自分らしい方法でチームを勝たせたいと思ってプレーした。今までやってきたように、自分のスタイルでアグレッシブにやっていきたい」

そしてマレーの離脱でナゲッツが優勝候補から脱落したとの見方を明確に否定する。「僕はSNSをやらないから、どう見られているのかは分からないけど、自分たちの力を疑ってはいないし、僕らが目指す場所は変わらない。優勝を狙うチームであれば、誰か一人が欠けたら別の誰かが出てこなきゃいけないものさ。ウチにはそれだけのタレントがいると思っているよ」

周囲に悲観的ムードが漂っていても、ポーターJr.には良くも悪くも空気を読まない、影響されない強さがある。「時々忘れがちになるけど、僕は常にプレーを楽しもうとしている。僕たちはファンのためにエンタテインメントを提供している。仕事だけどバスケを楽しむ気持ちは忘れちゃいけない。レギュラーシーズンだろうがプレーオフだろうが、楽しまなきゃダメだ」

ポーターJr.のこの明るさは、今のナゲッツにとっては大きな救いとなる。『マレーの代わり』ではなくても、ポーターJr.にとってNBA実質2年目は大きな飛躍のシーズンになりそうだ。