ルオル・デン

写真=Getty Images

デン自身も現状に納得できず「違うチームに行きたい」

レブロン・ジェームズを迎え入れた新生レイカーズは、若手コアに『個性派』のベテランを加えることで、激戦の西カンファレンスに風穴を開けようとしている。

どの選手にも注目が集まる状況で、一人だけ蚊帳の外に置かれているのがルオル・デンだ。昨シーズンは開幕戦でしか起用されず、残りの81試合はベンチを温め続けた。新シーズンでもデンは構想外となっているのだが、あと2年3700万ドル(約41億円)の契約を残しているキャリア晩年の選手をトレードで獲得しようとするチームも現れない。

考えてみれば、デンが置かれている状況は不憫でしかない。現状、デンの契約はレイカーズにとって重荷以外の何物でもない。33歳で高給取りの彼がいなければ、戦力はさらに上積みできるのだ。ただ、2016年に4年7200万ドル(約80億円)という条件で彼を獲得したのは、マジック・ジョンソンとロブ・ペリンカがフロントに就任する前の体制だったとはいえ、レイカーズだ。

チーム事情があるとはいえ、ここまで干されれば、デンにも何か非があるのではないかと世間は勘繰るもの。だが、そんな目を向けられればデンも黙ってはいられない。NBAアフリカゲーム2018に出場するデンは、『IOL』にこう語っている。

「僕はレイカーズの希望に応じたまで。今は何がどうなっているのやら。こっちが答えを知りたいよ。自分のレベルは理解している。昨シーズンの起用法にしても球団の決定であって、僕の判断じゃないことは分かってもらいたい。僕はプレーできる状態にある。それは毎日練習している姿を見れば球団にだって分かるはずだ」

そんなデンの訴えを聞けば、その状況は不憫に思えてくる。素晴らしい契約を得られたとしても、コートに立つことができない状況が何年も続くのは本意ではないだろう。

「僕はプレーしたい。何かの一部になりたい。でも、自分の力を信じてくれないチームの一員にはなりたくない。これは誰かを批判しているわけではなくて、自分の力を信じてくれる人のためにプレーしたいんだ。自分は、NBA選手になった日から実力を証明し続けてきた。今この場で、適切な答えを伝えることはできない。ただ、正直に言わせてもらう。もし尊重もされず、評価もされていないなら、違うチームに行きたい」

デンは攻守両面で安定した力を発揮する万能型であり、どのチームに行っても戦力になれる存在だ。このまま『飼い殺し』状態が続けば、レイカーズの球団イメージにとってもマイナスでしかない。シーズン開幕までに一つの結論が出ることを、誰もが望んでいる。