「肉体的にも、精神的にも準備ができている」
ホークスのホームに乗り込んだペリカンズは、11本の3ポイントシュートをノーミスで決められた第3クォーターに大きく失速し、107-123で敗れた。
試合には敗れたが、ペリカンズと10日間契約を結んだアイザイア・トーマスがデビューを飾ったことは大きな収穫となった。トーマスは25分13秒のプレーで2本の3ポイントシュート成功を含む10得点2リバウンド2アシストを記録した。
昨シーズはウィザーズに所属し、40試合に出場して平均12.2点、3.7アシストという数字を残したが、クリッパーズへトレードされた後に解雇され、1年以上も無所属の状態が続いた。約14カ月ぶりのNBA復帰となったトーマスは「試合には負けてしまったが、個人的には良い感触だった」と語った。
フィールドゴールは13本中4本の成功(30.8%)と決して高確率ではなかったが、指揮官のスタン・ヴァン・ガンディは「1年もプレーしていなかったけど、彼は良いプレーをしていた」と及第点を与えた。
セルティックスに所属した2016-17シーズンには平均28.9得点を挙げて『ボストンの王』と呼ばれていた。その後、股関節のケガに苦しみキャリアは下降線をたどったが、昨年の5月に股関節の手術を受け健康体を取り戻した。試合前の会見で「僕は102%。元通りになると思っていなかったから、ケガをする以前から今までで一番の気分さ。肉体的にも、精神的にも準備ができている」とトーマスは語っていた。そして、その言葉通り、高いスキルを見せ、NBAで通用することを証明した。
いきなりゲームハイの34得点を挙げたザイオン・ウィリアムソン、トリプルダブル級の活躍を見せたロンゾ・ボールの復帰はペリカンズにとって追い風だ。それでも、ブランドン・イングラム、ニキール・アレキサンダー・ウォーカー、ジョシュ・ハートらの離脱は痛く、戦力が整っていないことは間違いない。
トーマスは「彼らがケガで出られないのは最悪。でもケガもゲームの一部なんだ」と言い、このように続けた。「誰かが代わりにやってやろうというメンタルが大事で、チームが出場時間を与えてくれるなら、僕はそれをフルに生かしていく。僕はコート内外でインパクトを与えることができる」
新天地でチャンスをつかんだトーマス。10日間で結果を残し、本契約を勝ち取ることができるか。ペリカンズの成績とともに注目したい。