琉球ゴールデンキングス

3ポイントシュートとリバウンドからのトランジションで流れをつかむ

琉球ゴールデンキングスとサンロッカーズ渋谷の第2戦は、琉球が101-87で勝利した。

タフなディフェンスを持ち味とするチーム同士の対戦とあって、序盤は第1戦と同様に拮抗する。その中でも琉球は牧隼利が身体を張ったディフェンスでベンドラメ礼生に簡単にゲームメークをさせず、スイッチでライアン・ケリーとのマッチアップになっても粘り強くマークしてトラベリングを誘発するなど、守備で会場を沸かせた。

22-24と琉球の2点ビハインドで迎えた第2クォーターから試合が動き出す。SR渋谷の伊佐勉ヘッドコーチが「3ポイントシュートを量産されてしまいました。パーセンテージもすごく良く、やられたくない選手に気持ち良く打たれたのが一番の敗因です」と試合後に語ったように、琉球はこのクォーターだけで3ポイントシュートを7本中5本成功させた。

SR渋谷の高い位置からゾーンに対して、岸本隆一や牧隼利に加えて、今村佳太やドウェイン・エバンスといったボールプッシュできる選手が素早くボールを運び、相手のディフェンスが整う前にオフェンスを展開。ペイントアタックからのキックアウトやピック&ロールから横へパスを繋ぐことでコーナーでワイドオープンを作り、3ポイントシュートを沈めていった。また、セカンドユニットのキム・ティリが攻守に渡り奮闘し、リバウンドでも身体を張ってセカンドチャンスに繋げることでチームに勢いを与え、琉球が第2クォーターを25-14と圧倒し、47-38で前半を締めくくった。

第1戦ではSR渋谷に31本(琉球は12本)ものフリースローを許したが、この試合では立場が逆転する。大黒柱のジャック・クーリーを中心に、SR渋谷の激しいディフェンスに対して積極的に攻め、リバウンド争いでも粘ってファウルをもらうことで、第3クォーターはフリースローだけで12得点を獲得。一方、ディフェンスでは、藤田弘輝ヘッドコーチが「昨日は自分たちのインテンシティが低くて最後のシュートだけを止めに行く中途半端なディフェンスでしたが、今日はインテンシティが高かった」と語ったように、常にプレッシャーを与えることで、シュートモーションでのファウルを抑えた。

フリースローだけでなく、キックアウトからのアウトサイドシュートも引き続き好調で、さらにクーリーのリバウンドからのトランジションバスケを行うことで、リードを18点に広げて最終クォーターを迎えた。その後も琉球はディフェンスの強度を落とすことなくリードを守り切り、101-87で勝利した。

サンロッカーズ渋谷

伊佐ヘッドコーチ「お客さんが来てくれている以上、みんなで最後まで戦う」

勝利した琉球の藤田ヘッドコーチは「本当にディフェンスのインテンシティが昨日とは全く違ったので、そこで今日はキングスらしいバスケットができました」と手応えを語る。

「今日みたいなファイトができるように毎試合続けていく。そして今日のようにインテンシティのある試合が今後はチャンピオンシップを含めて続くので、僕たちは自分たちのスタンダードを作れるように取り組んでいきたいです」

一方、敗れたSR渋谷の伊佐ヘッドコーチはこう総括した。「点数が離れだしてきたところで、気をつけていたクーリー選手のリバウンド、エバンス選手のアタックなどからフリースローで点数を1点ずつ積み重ねられてしまいました。点差が離れた時にゲームプランとは違うプレーがあったので、そこはやり続けるメンタルを残りの10数試合でチームと話をして身に着けていかなければいけないです」

結果的には敗れたものの、SR渋谷は最終クォーターでケリーとジェームズ・マイケル・マカドゥがファウルアウトし、16点ビハインドでオフィシャルタイムアウトを迎えたが、ラストポゼッションまでオールコートマンツーを仕掛け、オフェンスでも全員が果敢にアタックするなど攻めの姿勢を見せ続けた。伊佐ヘッドコーチは「点数は離れていましたけど、最後の最後まで選手がファイトしてくれたので、シーズンの最後に向けて良い影響になる」と前を向く。

「終盤は時間をかけずに空いたら打つ、ドライブが得意な選手はどんどんアタックしてゲームを壊そう、と話をしました。ファウルトラブルになっていましたが、ファウルアウトしてもいいから止めるところは止めようと、最後まであきらめずに戦いました。キングスさんには失礼なことをしてしまいましたが、お客さんが来てくれている以上、みんなで最後まで戦おうと、しっかりやってくれたので良かったです」とプロクラブとしての矜持を見せた。