写真=Getty Images
クリッパーズ 2015-16シーズン成績
53勝29敗 西カンファレンス5位/プレーオフ1回戦敗退
フィールドゴール率46.5%(リーグ6位)
3ポイントシュート成功率36.4%(リーグ6位)
1試合平均得点105(リーグ6位)
1試合平均リバウンド42.0(リーグ25位)

オフはわずか2週間、汚名返上を誓うグリフィン

ブレイク・グリフィンの昨シーズンを5段階で評価するならば『2』、つまり平凡未満である。大腿部のケガだけでなく、プロとしての自覚のなさで軽率な行為を起こし、本来活躍すべき時にプレーできない事態を招いたことが低評価の要因だ。

元来真面目な性格のグリフィンも、チームに迷惑をかけ、自身にとっても悔しいシーズンを送ったことを理解している。新たなシーズンに向け、通常ならオフに長期のバカンスを取って心身ともにリセットする選手が多い中、グリフィンは必要以上の休暇を取らず、ハードなトレーニングを続けている。

クリッパーズのチームメート、J・J・レディックが司会を務める『The Vertical』のポッドキャスト番組で、グリフィンはこう語った。

「大腿部の手術を受けた後で1週間休んで、それからリハビリを始めた。あとは、ずっと身体を動かしていたね。でも、実は1週間の休暇から戻ったところだから、今年の夏は実質2週間のオフかな。気持ち的には、今年は休暇を取るには相応しくないと思ったから」

クリッパーズは、グリフィンが欠場した2015年12月26日からのレギュラーシーズン45試合を29勝16敗で乗り切った。戦績だけを見れば貯金13と悪くはない。だが、もしグリフィンが早期に復帰できていたら、より多くの試合に勝利し、西カンファレンスのトップ3も狙えていたかもしれない。グリフィンの復帰が遅れた原因の一つは、今年の1月の遠征時、当時チームスタッフだった男性と喧嘩して殴打した際に右手を骨折したためだった。

結果的にクリッパーズはウェスト4位でプレーオフに進出したが、1回戦で対戦したトレイルブレイザーズの勢いに飲みこまれ、2勝4敗で敗れた。

戦力は整ったが、西を勝ち抜くにはレベルアップが必要

今オフ、クリッパーズは3ポイントシュート、ミッドレンジからのシュートを得意とするセンターのマリース・スペイツ、インサイドでの汗かき役ブランドン・バス、ポイントガードのポジションでクリス・ポールのバックアップを務められるベテランのレイモンド・フェルトンを獲得した。さらにはセカンドユニットの中心であるジャマール・クロフォード、オースティン・リバースといった主力も残留。また、引退を検討していると報じられたポール・ピアースも、あと1年だけ現役を続けることが濃厚と言われている。

優勝を狙える陣容を揃えていると言われつつ、ここ2シーズンは思うような結果を残せなかったが、グリフィンは、レディックの番組で今シーズンへの手応えを掴んでいるとも話した。そして、「そのためには全員が100%に近い状態を維持しないといけない」とも付け加えている。

リーグ屈指のポイントガードであり、チームリーダーでもあるクリス・ポール、リオ五輪でチームUSAの金メダル獲得に貢献したデアンドレ・ジョーダン、美しいフォームのシュートでロングシュートを決め続けるレディックという面子が揃っている以上、目指すところは頂点しかない。

ロスターを見る限り、総じて戦力のバランスは良く、昨シーズンと比較して若干の戦力アップに成功したと見ていい。だが、ケビン・デュラントの加入でスーパーチームとなったウォリアーズ、古豪スパーズら強豪ひしめく西カンファレンスを勝ち上がるには、さらに上のレベルに到達しなければならない。

グリフィンが指摘するように、まずは良好なコンディションを保つこと。そしてグリフィン自身が殻を破り、チームを引っ張っていくことが求められる。

クリッパーズが誇るビッグ3。3人が揃い、新戦力の融合で初のNBA王者を目指す。

2016-17シーズン クリッパーズ予想ロスター
[PG]
クリス・ポール、オースティン・リバース、レイモンド・フェルトン
[SG]
J・J・レディック、ジャマール・クロフォード、ウェスリー・ジョンソン
[SF]
ルーク・バー・モーテ、ポール・ピアース、ウェスリー・ジョンソン
[PF]
ブレイク・グリフィン、マリース・スペイツ、ブランドン・バス
[C]
デアンドレ・ジョーダン、ブランドン・バス、マリース・スペイツ