ラマーカス・オルドリッジ

今シーズンは13.7得点、4.5リバウンドを記録

バイアウトに合意してスパーズを退団したラマーカス・オルドリッジの新天地はネッツだった。

2006-07シーズンのデビューからトレイルブレイザーズで9シーズン、そしてスパーズで5シーズン半プレーした35歳のオルドリッジは、昨シーズンから出場機会が減少。スパーズが若手重視、そしてスピードのあるバスケへと方針転換したことで構想から外れていた。スパーズを率いるグレッグ・ポポビッチは、彼がチームから外れた3月上旬の時点で「彼は素晴らしい選手で、お互いに何の問題もない。フロント、代理人と彼にとって良い話を進めたい」と、円満な別れであることを強調している。

当初はトレードを模索したが、結局はバイアウトに。そして新天地となったのはジェームズ・ハーデンとカイリー・アービング、ケビン・デュラントの『ビッグ3』に、先日にはブレイク・グリフィンが加わった超豪華スター軍団のネッツだ。オルドリッジの代理人によれば、ベテラン最低保証額で今シーズン終了までの契約に合意したとのこと。

今シーズン序盤にハーデンを獲得して『ビッグ3』が完成した時点でのネッツは、主力ビッグマンのジャレット・アレンをトレードで放出していたこともあり、インサイドの層が薄い弱点を抱えていた。32歳で全盛期を過ぎたディアンドレ・ジョーダンが一人で支えるのでは、レギュラーシーズンはともかくプレーオフでは戦えない、との見方もあった。実際、NBA屈指のスコアラーであるケビン・デュラントが体調が万全ではないにもかかわらず、チームのために得点よりリバウンドに力を入れるシーンも見られた。

それでも、グリフィンに続いてオルドリッジを獲得。2019年のドラフト2巡目で指名した21歳のニコラス・クラクストンが急成長したのも予想外の収穫だ。今のネッツは看板である『ビッグ3』の揃い踏みがほとんどないにもかかわらず勝ち続け、31勝15敗でセブンティシクサーズと東の首位争いを演じている。

オルドリッジは今シーズン、21試合の出場で25.9分プレー。13.7得点、4.5リバウンドを記録している。グリフィンもオルドリッジも全盛期は過ぎている。だが、これだけの選手層を揃えれば、お互いに役割を限定して今の自分のベストを発揮すればいい。ディアンドレ・ジョーダンがそうであるように、勝つ喜びは選手にとって新たな力となる。