ルカ・ドンチッチ

「コートに出ていったらすぐ本番だと言われてね」

NBAオールスターで『チーム・レブロン』の一員としてプレーしたルカ・ドンチッチは、32分間プレーして8得点8アシストを記録。当日朝の会見で「子供の頃からずっとそうしてきたように、プレーを楽しむつもり」と語ったように、22歳の若きレジェンドは大舞台に委縮することはなかった。

NBAオールスターの一日を、彼は十分すぎるほど楽しんだ。彼は普段の試合でもプレーする喜びを身体で表現するが、勝敗のプレッシャーから解放され、なおかつ公式戦とは趣が違えどレベルの高いオールスターは、何よりも楽しい機会なのだ。

「オールスターは会場の雰囲気が好きなんだけど、今回はファン不在だったのが少し残念だった。でも、プレーする分には変わりなく楽しんだよ」とドンチッチは振り返る。彼は以前、様々なチームのファンがアリーナに来て、勝敗を意識することなくレベルの高いプレーへの期待感だけがあるオールスターの雰囲気が好きで、自分がオールスターに選出されることはマーベリックスのファンを『オールスターに招待すること』ととらえていると語っていた。

一方で話題がスキルズチャレンジに移ると、「あれはちょっとした手違いがあってね」と彼は言うが、そこには笑顔がある。

「ちょっとした手違い」とは、ドマンタス・サボニスにあっさり負けた顛末だ。「しばらくウォーミングアップしてからプレーするものだと思っていたのに、コートに出ていったらすぐ本番だと言われてね。会場がすごく寒くて身体が動かなかったよ」と彼は言う。実際、サボニスがユニフォーム姿でプレーしたのに対し、ドンチッチはウォーミングアップ用のジャージを上に着たままでチャレンジに臨んでいる。「(すぐにスタートするよう指示した)彼が来年もいるかどうかは分からないね」と、ドンチッチは笑顔でジョークを飛ばした。

新型コロナウイルスの影響で何から何までいつもと違う一日となり、彼が期待したことのいくつかは実現されなかったが、2度目のNBAオールスターは彼にとって良い刺激となったに違いない。前半戦は出遅れたマーベリックスだが、何とか西の8位まで順位を上げてオールスターブレイクを迎えた。後半戦、ドンチッチにはこれまで以上の働きが求められる。