第4クォーターでビッグラインナップが効果を発揮
3月6日、川崎ブレイブサンダースは新潟アルビレックスBBをホームで迎え撃ち、苦戦を強いられたものの81-77で先勝した。
先手を取ったのは新潟だった。川崎のプレッシャーディフェンスに対して青木勇人ヘッドコーチ代行は「それは予想できたので、ボール運びを工夫しながらいい形で試合に入れました」と語り、川崎の佐藤賢次ヘッドコーチは「少し変わったマッチアップを相手が作ってきたのに対して、ディフェンスになった時にピックアップが遅くなったり、相手が作ったミスマッチにうまく対応しようという動きが遅くなってしまった」と振り返る立ち上がりで、第1クォーターを22-14とした新潟が前半は主導権を握る。
それでも川崎は我慢のディフェンスで耐え、後半に入ると新潟があえて作り出すミスマッチに順応し、自分たちに有利な組み合わせを活用することで押し返した。川崎が1点リードで迎えた第4クォーター、粘る新潟はアレン・ダーラムにボールを集めるとともに、柏倉哲平に西田優大も3ポイントシュートのチャンスをきっちり決めて食らい付く。
それでもオフィシャルタイムアウト後に川崎はニック・ファジーカスとパブロ・アギラール、ジョーダン・ヒースを同時起用するビッグラインナップで押し切る。77-77の同点で迎えたラスト30秒からの攻め、ショットクロックがなくなったところでファジーカスがターンからステップバックしてのジャンプシュートを沈めて勝ち越し。新潟には残り6秒で最後のチャンスが残されていたが、タイムアウトを取ってデザインした攻めを出せないままボールを失ってしまい万事休す。川崎が81-77で競り勝った。
劣勢を強いられても慌てずに守備から押し返したこと、そして勝負どころで川崎のビッグラインナップが効果を発揮したことが川崎の勝因となった。特に3週間ぶりの戦線復帰となったファジーカスは32分半のプレーでゲームハイの33得点を記録。勝負を決めた残り6秒でのシュートは、相手がどれだけ警戒していても落ち着いて決める、まさにファジーカスらしい得点だった。
「復帰できて良かった。チャンピオンシップ進出に向けて、これからの試合は負けられないという危機感を持って試合に臨んでいました。32分プレーできて楽しかったです」とファジーカスは語る。「最初の2本でシュートを決めて、その後何本か外してしまったのですが、今日はタッチが良かったから打ち続けるようにと自分に言い聞かせて、その後はシュートを決めることができました」
佐藤ヘッドコーチ体制になって2シーズン目、全員がディフェンスからハードワークするバスケが川崎には定着したが、勝負どころでのファジーカスの得点能力が必要なことに変わりはない。ファジーカスの復調、そして彼が変わらぬ決定力を見せたことでチームが得られる自信は、ここからのシーズン終盤戦に向けて川崎になくてはならないものとなる。
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