勝負を決めたチェイスダウンブロックに「自分でも興奮した」
オールスターブレイク前のペイサーズvsナゲッツ。試合を通じてナゲッツが優位を保った試合だったが、第4クォーター開始からニコラ・ヨキッチを休ませた5分半で試合の大勢は決まった。そこで主役を演じたのはマイケル・ポーターJr.だった。
第3クォーター終了時点で82-74とナゲッツが8点リード。それまでも思い切りの良い3ポイントシュートや豪快なランニングプレーなど持ち味を存分に発揮していたポーターJr.は、連戦で足の重いペイサーズの選手たちを運動量で圧倒した。打点の高いシュートに自信を持っているので、チェックが来ていても臆することなく打ちきる。運動能力を生かしてどのリバウンドにも飛び込んでいく。そういった積極的なプレーがナゲッツを勢いに乗せ、ペイサーズを後手に回らせた。
ポーターJr.は立て続けに2本の3ポイントシュートを決め、コートに戻ったヨキッチがすぐにフックシュートを成功させ、マルコム・ブログドンのシュートをチェイスダウンブロックで防いだポーターJr.の好守からジャマール・マレーが速攻で走りダンクを叩き込む。3分間で12-0のランにより99-81とペイサーズを突き放し、一気に勝負を決めた。最終スコア113-103でナゲッツが勝利している。
この試合で24得点11リバウンドを記録したポーターJr.は、今日一番のプレーに5本決めた3ポイントシュートではなく、終盤のブロックを挙げた。「結果的にマレーのイージーダンクに繋がったし、相手にタイムアウトを使わせた。あれは自分でも興奮したよ」
ポーターJr.は1月に新型コロナウイルスに感染して3週間の戦線離脱があり、復調に時間を要したが、ここ6試合ではダブル・ダブル5回と身体能力の高さを存分に発揮している。「不調の間にいろんな人に話を聞いたんだけど、『誰でも経験することだ』って感じだった。だから僕は必要以上に落ち込まず、自分のルーティーンに立ち返るようにした。試合へのマインドセットは少し変えた。シュートが決まらなくても別の部分でチームに貢献すればいいんだとね。自分のリズムを取り戻した後は、オフェンスについては問題なくやれているよ」
これでナゲッツはアウェー4連戦を全勝してオールスターブレイクに入る。21勝15敗で終わった前半戦をポーターJr.はこう振り返った。「ここまでケガ人も多く、いろんなアクシデントがあったけど、僕たちは下を向かなかった。全員のコンディションが万全だったら出番がなかったかもしれないジーク(ナジ)のような選手の頑張りは誇らしいよ。PJ(ドジアー)、アイザイア(ハーテンシュタイン)、RJ(ハンプトン)もそうだよね。誰かが抜ければ別の誰かがステップアップする。そうやって戦えたことはうれしい」
ポーターJr.はライジングスターに選ばれたが、残念ながら今年のNBAオールスターでは開催がない。「僕の個人的な目標はNBAチャンピオンになることで、ライジングスターは違うんだけど、それでも選ばれたことは光栄だ。今回の休みは故郷のミズーリに戻って家族と過ごすよ」。過密日程の今シーズンにおいて1週間の休みは貴重なもの。心身ともに充電して、ポーターJr.は後半戦に臨む。