八村塁

ファウルトラブルでも終盤を任され、粘り強い守備を披露

オールスターブレイクを前にクリッパーズと対戦したウィザーズは会心のゲーム運びで勝利を収めた。

ウィザーズは前半を終えて54-61とビハインドを背負ったが、後半から攻守のギアを一段階上げる。そのスイッチとなったのが八村の積極果敢なプレーだった。第3クォーターの立ち上がり、クリッパーズのパス回しにディフェンスが崩されてゴール下でサージ・イバカがフリーになったが、八村が素早くカバーに入ることでシュートに持ち込ませない。前半は目立たなかった攻めでも、パトリック・ベバリーをポストプレーで押し込んで得点したのを機に波に乗った。カワイ・レナードからファウルを誘ってフリースローを得て、アーリーオフェンスから3ポイントシュートも沈めて6連続得点。その後はブラッドリー・ビールの得点でウィザーズが前半のビハインドを帳消しにした。

この試合、八村が主にマッチアップしたのはレナードだった。NBAでも屈指の2ウェイプレーヤーに対しても臆すことなく、当たり負けせずに攻守ともに激しい戦いを演じた。このマッチアップで互角に渡り合ったところからウィザーズは立て直すことに成功したのだから、大きな貢献だと言える。もっとも、ディフェンスで激しさを出した代償でファウルもかさみ、第4クォーター残り8分にアタックに行ったところでテレンス・テンを相手にオフェンスチャージを取られ、個人ファウル5つでベンチに下がらざるを得なかった。

それでも今の八村はウィザーズのディフェンスになくてはならない存在だ。再び投入されたのは残り5分、102-104と2点ビハインドの場面。ファウルが許されない状況でオフェンスで仕掛けるプレーはなくなったが、クラッチタイムで集中力を研ぎ澄ますレナードを相手に粘り強いディフェンスを披露。この間にビールが難しいミドルジャンパーを沈め、ダービス・ベルターンスがルーズボールを誘ってのフリースローでウィザーズが混戦から一歩抜け出した。

最後にはクリッパーズに1点差まで詰め寄られたものの、残り7秒でのファウルゲームで八村がフリースローを1本決め、2本目は外したがラッセル・ウェストブルックがリバウンドを手に引っ掛け、ビールがボールをキープ。こうしてウィザーズが119-117で接戦に競り勝った。

ビールはシュートタッチこそあまり良くなかったが15本ものフリースローを得て、そのうち14本を決めることでゲームハイの33得点を記録。ウェストブルックは27得点9リバウンド11アシストとほぼトリプル・ダブルの出来。八村は9得点3リバウンド1アシスト1スティールと数字は突出したものではないが、前述の通りレナードとのマッチアップで相手に優位を作らせなかったことでチームを支え、勝利に貢献している。