ロイド・ピアース

オフェンスに振り切った補強は成功せず、再出発へ

昨シーズンの20勝47敗に続いて今シーズンここまで14勝20敗。ホークスはロイド・ピアースの解任を決めた。

ピアースがチームを率いて3年目。トレイ・ヤングを中心にジョン・コリンズ、ケビン・ハーター、ディアンドレ・ハンターといった若手を育て、今シーズンが勝負の年だった。昨シーズン途中に獲得したクリント・カペラは今シーズンが実質的なホークスでのデビューで、オフにはラジョン・ロンド、ダニーロ・ガリナーリ、ボグダン・ボグダノビッチ、クリス・ダン、ソロモン・ヒルを獲得した。

戦力は大幅にアップしたはずが、勝率は少ししか上がっていない。ピアースはトレイ・ヤング中心のチーム作りを行い、ヤングはその期待に応えてリーグでも指折りのスコアラーへと成長し、今シーズンもリーグ10位の26.5得点を記録している。しかし、オフェンスに振り切った補強を進めた結果、オフェンスでは交通渋滞が起き、ディフェンスはシンプルに弱くなった。特に課題となったのはクラッチタイムのディフェンスで、接戦で守り切れずに負ける試合が続いていた。

試合を重ねるごとに連携が取れていくわけでもなく、2月は4勝11敗と大きく負け越し。ヤングコアを中心とし、経験ある選手で層の厚みを出す目論見は外れ、経験不足の若手とジャーニーマンの寄せ集めといったチームに。そしてピアースがその責任を取らされることになった。

ホークスは「チームに対する彼の仕事ぶりだけでなく、アトランタの街への貢献についてもロイドに感謝したい」とのリリースを発表した。昨シーズンまでペイサーズを率い、今シーズンにコーチングスタッフに加わっていたネイト・マクミランが暫定ヘッドコーチになる見込み。これからアトランタではコロナ下でのNBAオールスターを迎えるが、ホークスの選手は誰も選ばれていない。NBAオールスターが行われている横で、チームは再出発を図る。