攻守ともに圧倒し、前半で22点差をつける高パフォーマンス
千葉ジェッツvs信州ブレイブウォリアーズの第2戦。ボールをよくシェアし、状況判断とシュートタッチがともに良かった千葉は、ディフェンスでも素早いローテーションでズレを最小限に留めるなど攻守ともに圧倒。前半で22点のリードを奪い、その後も集中力を切らさず99-67と快勝した。
序盤こそ拮抗したものの、第1クォーター中盤からディフェンスを引き締めた千葉が主導権を握る。ボールマンへのプレッシャーを強めるとともにボールにもよく手を出し、このクォーターだけで5つのターンオーバーを誘発。そこから持ち味であるトランジションオフェンスも機能した。勝久マイケルヘッドコーチが「出だしから彼のピック&ロールにすべてを剥がされてしまって、オープンのプルアップを打たれてしまった」と語ったように、富樫勇樹の個人技が冴え、シャノン・ショーターも個で打開し、ラスト5分弱を14-5と走り、いきなり2桁のリードを奪った。
第2クォーター開始1分、ウェイン・マーシャルから個人2つ目となるオフェンスファウルを誘発し、ベンチへと追いやったことで千葉の流れは決定的なものとなる。信州はアンソニー・マクヘンリーが初戦で負傷しベンチ外となったこともあり、千葉がインサイドで優位に立った。
セカンドユニットになっても力が落ちない千葉は西村文男と大倉颯太の小気味良いパス回しによって、オフェンスが活性化した。大倉は自らも3ポイントシュートを沈め、速攻でシュートファウルを誘発するなど存在感を見せた。
一方、信州はマーシャルがいなくなったことでインサイドで起点が作れず、ボールラインが上がりタフショットが多くなった。マーシャルをコートに戻すも、ファウルが気になり思うように圧力をかけられずインサイドでの失点も止められない。さらには千葉に3ポイントシュートを7本中5本成功(71.4%)と高確率で決められたこともあり、29-51と大きなビハインドを背負った。
千葉は後半に入っても集中力を切らさず、危なげない試合運びを見せてリードを拡大し、信州から2連勝を挙げた。
大倉のケガに「何とも言えない気持ちで心は闇です」
千葉の大野篤史ヘッドコーチは「コンタクトを嫌がらずに、自分たちがやりたいポジションでオフェンスをして、相手がやりたいポジションでオフェンスをやらせずに良いゲームができた」と総括した。
6点差の辛勝だった初戦とは違い大差での勝利を収めた千葉だが、最終クォーター残り6分を切った場面で大倉が着地の際に右膝を痛め、担架で運ばれる事態に陥った。そのため、大野ヘッドコーチも「ゲームとしては良かったですけど、颯太のケガがあったので何とも言えない気持ちで心は闇です」と、手放しで勝利を喜べずにいた。
一方、信州の勝久ヘッドコーチは「昨日は彼らのベストではない、千葉はもう一つのギアがあると話をしましたが、バウンスバックしなければいけなかったのにその逆で情けない試合でした」と肩を落とす。
「オフェンスの遂行力やボール運び、ディフェンスなど、本当に大きい存在。何よりも精神的な部分が非常に大きい。もちろんマックがいるのといないのとでは全然違います」と、マクヘンリーの不在が与える影響の大きさを語った勝久ヘッドコーチだが、「出だしから気持ちの面で負けていて、マックが出れる出れないの問題ではなかった」と、気迫が足りなかったことを一番の敗因に挙げた。