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「次の世代に託す時期がきた」

リオ五輪決勝でセルビアに96-66で快勝し、3大会連続となる金メダル獲得を達成したアメリカのカーメロ・アンソニーが、代表引退を発表した。

『NBC』とのインタビューで、アンソニーは「これで終わり。僕にとっては、これで最後だ。特別なものに力を尽くしてきたからね」とコメント。アンソニーは、銅メダル獲得に終わった2004年のアテネ五輪から4大会に出場し、2008年の北京五輪、2012年のロンドン五輪、そして今大会での金メダルを合わせ、合計4個のメダルを獲得している。

「2004年から力を尽くしてきた。最悪な結果も見てきたし、最高の結果を出して、それを維持させることができた。皆でこの位置に留まることができた。そして今、この場にいられる。金メダルを3個獲得できた」

セルビア戦で7得点7リバウンドを記録したアンソニーは、代表での通算リバウンド数で125に到達し、デビッド・ロビンソンを抜き歴代1位に浮上した。

「十分チームUSAに貢献できたと思う」と、試合後の会見で語ったアンソニーは、次の世代にバトンを渡す時期だと続けた。

「代表戦に出場できなくなることを残念に思うだろうけれど、それと同じくらい、今回のチームに選出された仲間に託す時期だとも感じている。次の世代に、とても素晴らしいことを成し遂げる機会を譲る時期だ」

「ここまで楽しい旅路だった。良い時期も悪い時期も見ることができた。負けも経験したし、金メダル獲得の喜びも体感できた。この思い出は、何ものにも代え難い」

今大会は、レブロン・ジェームズ、クリス・ポール、ドウェイン・ウェイドという『カーメロ世代』のスター選手が相次いで出場を辞退。そんな中、アンソニーは勝ち方を知るリーダーとしてチームを引っ張った。

「チームリーダーの一人として認めてもらい感謝している。単にチームのリーダーとしてだけではなく、国のリーダーになれて、とても感謝している」

今後のチームUSAはケビン・デュラントやステファン・カリーの世代が中心となり、ヘッドコーチもマイク・シャシェフスキーから、スパーズの名将グレッグ・ポポビッチに引き継がれる。2020年の東京五輪で4大会連続金メダル獲得を狙うチームUSAの新たな戦いは、すぐにスタートする。

オリンピックで金メダル3個、銅メダル1個を獲得。3個の金メダル獲得はアメリカ男子バスケットボール史上初の快挙だ。今年で32歳となったメロはリーダーとしての役割を全うし、次の世代にバトンを渡した。