大阪エヴェッサ 安井代表に聞くvol.2 「アリーナから最寄駅まで、来やすく帰りやすい状況を」

2016/08/31
Bリーグ&国内
209

Bクラブのキーマンに聞く
Bリーグ開幕が迫ってきた。日本のバスケットボール界が大きく変わろうとしている今、各クラブはどんな状況にあるのだろうか。それぞれのクラブが置かれた『現在』と『未来』を、クラブのキーマンに語ってもらおう。
構成=鈴木健一郎 写真=安田健示

日本初の体感型アリーナを目指して、演出を強化します

稲葉 地域にもっと愛されるようになれば集客という面でも結果が出ると思います。それってクラブとして目指す姿としては明確ですね。じゃあ5000人に向けて何をしましょうか?

安井 これはもういっぱいやらないといけないことがあってですね、手を付けていくのも大変です(笑)。まずはアリーナ。今年は『舞洲エヴェッサパークプロジェクト』と銘打って、チームラボが総合演出をプロデュースした日本初の体感型アリーナを目指して、プロジェクションマッピングとか、そういった演出を強化します。「舞洲エヴェッサパーク チームラボ4Dステージ」と言いまして、光、音、人の参加、時間軸という「4D」で、参加することで3Dを超える体験ができます。ただ、アリーナ外の取り組みとして、もう一つ舞洲の課題としてはアクセスがあります。

稲葉 舞洲をホームアリーナにしたことで、従来のブースターの方からは「遠くなった」と言われていますよね。でも、東京から来た我々からすると、「そんなに言うほど遠いっけ?」という感じでもあります。

安井 特に車だと近いですね。例えば天王寺から高速道路を使えば15分です。ただ、舞洲には電車の駅がないので、最寄駅の先はバスを使わなきゃならない。だからとにかくバスを増便して、来やすく帰りやすい状況を整えていかなくてはいけないんです。アリーナから最寄駅までピストン運行でストレスなく移動できれば、大阪市内ですのでそんなに不便ではないと思っています。

稲葉 「Bリーグが始まるから」という理由だけでアリーナが満員になることはないですか?

安井 今のところ、そうは感じないですね。実際に営業をやっていても、「あのBリーグの!」と言われることはほぼないです。「バスケってなんか揉めてたよね」と言われることのほうが多い(笑)。これが大阪だけなのかどうなのか。とにかくリーグには露出を増やしてほしいという希望はあります。先日の『27時間テレビ』みたいな規模でやってくれると、各地方まで影響が出てくるので。

稲葉 賞金だったり分配金だったりは、今までよりずっと大きな金額が出てくると思いますが、それよりも露出ということですね。リーグとして全国的なプロモーションを頑張ってもらって、集客や営業をしやすい土壌が各地域でできていくのが理想です。

安井 もちろん僕らも努力しますよ。ただ、クラブだけの努力では限界があるので。リーグと一緒に両方でうまくやっていきたいです。

稲葉 リーグがいろいろと整えてくれることをアテにしすぎるのも良くないですからね。Bリーグがバスケブームを作り出しても、波が去った時にバタバタ倒れるクラブが出てくるかもしれない。

安井 賞金や分配金にしたって、来季も確実に同じ額があるとは限らないですからね。でも、そこはバスケ界はまだ経験がないので、失敗するチームも出てくるかもしれません。

稲葉 エヴェッサはスポンサーセールスが好調であれば心配ないですね。

安井 ちゃんと頑張っていれば、経営的に危なくなることはないと思っています。ウチは今、スポンサー収入がチケット収入より圧倒的に大きいんですけど、やはりトントンにしたいです。そうして経営を安定させたいです。

稲葉 大河正明チェアマンは銀行出身で、Jリーグ時代も個々のクラブの経営状態をすごく細かくチェックして、必要であれば厳しく指導したと聞きます。Bリーグの各クラブも大河チェアマンがにらみを利かせているなら大丈夫ですかね?

安井 そうですね、やっぱり厳しい方ですよ。数字は細かく見られますね。

稲葉 大河チェアマンが来るとなると、皆さんブルブル震えるんですか?(笑)

安井 震えはしないですけど、緊張はします。別に隠すことはありませんが、質問や指摘をされたらパッと答えたい気持ちがあるので。「ちょっと調べないと分かりません」とは言いたくないですよね。ところが思いがけないところをズバッと指摘いただいたりするんです。

Bリーグ最初のシーズンに打ち立てたスローガンは『威風堂々─B the champion─』。リーグ初代王者を目指す。

Bクラブのキーマンに聞く/安井直樹 エヴェッサ大阪代表取締役
vol.1「僕らが観客動員を増やせたら、チームは勝ちます!」
vol.2「アリーナから最寄駅まで、来やすく帰りやすい状況を」
vol.3「僕らは理念を達成するために活動していかなければならない」