ジェームズ・ハーデン

新天地でのデビュー戦で30得点超えトリプル・ダブルはNBA史上初

ネッツを率いるスティーブ・ナッシュは、ジェームズ・ハーデンのデビュー戦にあたり「チーム練習は一度もやっていない」と明かしていた。ロケッツからの退団がトラブル含みのものとなったことで懐疑的な見方も多かったはずだ。しかしハーデンはネッツでのデビュー戦でNBA史上初の快挙を達成した。

ハーデンはマジックを相手に約40分のプレーして32得点12リバウンド14アシストのトリプル・ダブルをマーク。新天地でのデビュー戦で、30得点超えでのトリプル・ダブルは史上初で、サンダー時代の盟友であるケビン・デュラントも8本中5本の3ポイントシュートを含むフィールドゴール26本中16本、フリースローも5本すべてを成功させて42得点と大暴れし、ネッツが122-115で勝利を収めている。

前日の入団会見で語っていた通り、ハーデンはロケッツ時代とは異なりパス主体のプレーでチャンスメークを優先。ターンオーバー9は多すぎるが、それはカイリー・アービングの欠場が続くチームでハンドラーを務め、リスクを恐れずチャレンジした結果だ。

呼吸が合わずにパスが通らなかったり、思うようにボールを動かせない間にスティールされるシーンはあったが、ピック&ロールからオープンの選手の手元へピタリとパスを合わせる、また速攻からパス1本でイージーシュートのチャンスを作り出すなど、ミスよりもチャンスメークを成功させた印象が強い。そして最終クォーターの勝負どころでは自分でもアタックし、15本のフリースローを獲得することで安定して得点を伸ばし、自らの得点も32まで伸ばしている。

ハーデンは試合後の会見で「このチームには特別な才能を持つ選手が揃っている」と語り、新たな環境に胸を躍らせている。「万能性がある選手、シューター、プレーメーカーも揃っている。まだケミストリーは完成されていないけど、それはシーズンを通じて作り上げていけばいい」

アービングはこの日も欠場した。それでもハーデンは、デュラント、アービングとの『ビッグ3』が機能すると自信を持っている。「自分がやるべきことは最高のジェームズ・ハーデンを見せること。チームとして機能するかどうかは自分たち次第だ。カイリーの復帰が楽しみだね。彼はチームにとって重要な存在だし、彼が戻ってケミストリーが構築されれば、スゴいことになる」

アービングの復帰がいつになるかは未定で、ケミストリーを再構築するには時間もかかるだろうが、ハーデンはデビュー戦でネッツにフィットできることを十分に示した。『ビッグ3』揃い踏みとなる試合がなおさら楽しみになった。