史上初のフルタイム女性ヘッドコーチ誕生に一歩前進
2020年12月30日、スパーズのトップアシスタントコーチ、ベッキー・ハモンがNBAの歴史に名を刻んだ。
ホームでレイカーズと対戦したスパーズは、第2クォーターにヘッドコーチのグレッグ・ポポビッチが2度のテクニカルファウルを受けて退席処分となり、アシスタントコーチのハモンに指揮権が託された。この瞬間、ハモンは女性としてNBA公式戦でチームを率いた初のコーチになった。
コートからロッカールームに戻る際、ポポビッチはハモンを指さしてチームを託した。現場を任されたハモンは、選手たちとコミュニケーションを取り、チームを勝利に導こうと努力した。107-121で敗れた試合後、ハモンは「チームの勝利に貢献できるよう、それだけを考えるようにした」とコメントした。
練習の時からチームを率いているというハモンは「選手たちの姿勢は素晴らしく、私に対してのアプローチの仕方も常に素晴らしい」と語り、「できることなら勝ちたかった」と結果を悔しがった。
ハモンによれば、ポポビッチの退場後はコーチングスタッフが一丸となり、代行を務めたハモンを支えたという。「ポップが退場した後は、私以外のコーチが選手交代などに関して色々とアドバイスをくれて、みんなで戦おうという雰囲気になった」
ポポビッチは試合中に熱くなり、審判の判定に抗議して退場処分を受けることも少なくないため、ハモンが再び公式戦で代理を務める機会も増えるかもしれない。いずれにせよ、彼女がNBAのチームを率いたことは歴史に残る出来事で、史上初のフルタイム女性ヘッドコーチ誕生に一歩前進したと言っていい。