チームがシュートタッチに苦しむ中、明成の越田大翔が奮闘
ウインターカップ男子準決勝の仙台大学附属明成vs北陸。互いにシュートが入らない思い時間帯が続きロースコアゲームとなったが、明成が60-58で勝利し、決勝進出を決めた。
明成は立ち上がりからゾーンディフェンスを仕掛け、北陸の留学生プレーヤー、コナティ・モディポに中に入らせない。サイズがある選手が揃う明成は、ディフェンスリバウンドを取っては得意のファストブレイクを出してリードを奪う。
対する北陸は、序盤こそ明成のゾーンに攻めあぐねていたが、しっかりとボールを回してズレを作ると、土家拓大が隙を突いてアタックすることで得点が決まり始める。それまでは人とボールが動いていなかったためモディポもペイントエリアに入れなかったが、 土家がディフェンスを引き寄せることでモディポとの合わせも決まるようになると、一時は2桁あった点差を4点にまで縮めて前半を終えた。
立ち上がりの2分間で小川翔矢の3ポイントシュートと加藤大成のフローターで北陸が逆転に成功する。その後はリードチェンジを繰り返すが、明成ディフェンスリバウンドから速攻に持って行ってもシュートが決まらずに、チャンスをモノにできない。それでも越田大翔が苦しい時間帯にポストプレーや3ポイントシュートを沈めることで、47-44とリードを奪い返して最終クォーターへ。
最終クォーターに入ってもリードチェンジを繰り返す中、残り時間2分で北陸に速攻を決められ55-58と逆転を許すが、越田が3ポイントシュートを沈め点差を1点にまで縮める。そして明成は今までよりも一歩間合いを詰めたディフェンスを行い、北陸に簡単にはシュートを打たせずに時間を使わせる。57-58と1点ビハインドで迎えた残り41秒。この試合でゲームハイの24得点を記録した越田がリバウンド争いでファウルをもらいフリースローを2本とも沈めて逆転に成功。北陸は残り8.9秒でファウルゲームを行うが時すでに遅し。越田はこのフリースローを1本沈め、60-58で明成が勝利した。
山﨑一渉「やるべきことをしっかりやって優勝したい」
重い展開が続き、最後はフリースローで接戦を制した明成の佐藤久夫コーチは「最後はちょっとあっけなく終わった感じがしましたね。昨日と一緒で、まだ幸運が離れていないというようなゲームだったと思います」と振り返った。明成は昨年大会でも北陸と対戦したが65-86で敗れ今回はリベンジを果たしたが、佐藤コーチは「みんながリベンジって言うから固くなったんですよ(笑)。私は考えていなかったです」と言うが、違いをこう明かした。「前回負けた時は追いつけない時にタイムアウトを取ったので、そこだけは今回は早いうちに手を打とうと考えてゲームをしました」
この試合でゲームハイの24得点を挙げ、最後の逆転フリースローを沈めた越田は「自分はあんまりフリースローが上手くないんですが、先生やチームメートが声をかけてくれて、励ましの言葉をくれたので決めきることができました」と言う。
エースの山﨑はシュートタッチに苦しみながらも最終的には16得点15リバウンドを記録して勝利に貢献。「シュートが入らなかったですけど、途中からディフェンスとリバウンドを絶対に頑張ろうと思って切り替えてやりました」と試合を振り返る。
明成は明日、日本一をかけて東山と対戦する。山﨑は「自分たちのやるべきことをしっかりやって優勝したいです」と意気込みを語った。