同じ高校で前十字靭帯断裂からの復帰など共通点が多い
バックスから制限付きフリーエージェントになったジャバリ・パーカーは、地元シカゴを本拠地に置くブルズと2年契約を結んだ。2014年のドラフト全体2位でバックスから指名され、NBA選手になったパーカーにとって、ブルズへの移籍が持つ意味は大きい。
パーカーは、同じくシカゴ出身で、ブルズで成功を収めた2008年ドラフト全体1位選手のデリック・ローズに憧れを抱いている。数ヵ月前のことだが、パーカーは『ESPN』に「デリックは、僕も含めてたくさんの人にとってのヒーローなんだ。彼のレガシーは、歴史上一番上にくる。彼のキャリアに関係なく、僕たちはデリックを尊敬しているし、愛している。もし彼が今の時点で引退しても、彼はレジェンドになる人だ」と語った。
あまり知られていないが、彼らには共通点も多い。出身高校は同じシミオン・キャリア・アカデミーで、ローズとパーカーはそれぞれ母校に州王者のタイトルをもたらした。そしてNBA選手となってからも、幸か不幸か一つの共通点が彼らの間に生まれてしまう。
2011年にNBA史上最年少となる22歳と6ヵ月でシーズンMVPを受賞し、順風満帆のキャリアを送っていたローズは、2012年のプレーオフで左ひざ前十字靭帯断裂という重傷を負った。それからのローズは負傷との戦いを余儀なくされ、ここ2年で移籍を繰り返すジャーニーマンに成り下がった。
パーカーもまた、1年目に左ひざの前十字靭帯を断裂。長いリハビリを経て復帰後バックスの中心選手として活躍するも、2017年に再び左ひざの前十字靭帯を断裂する不運に見舞われた。パーカーは、ローズと同様に能力は高いが負傷歴を懸念される選手の一人という評価がついてしまっている。そのパーカーの獲得に手を挙げたチームこそ、ローズがキャリア絶頂期を過ごしたブルズだった。
これまでは出身校、NBA入り後の負傷という共通点しかなかったものの、パーカーはついにあこがれの先輩であるローズが活躍したチームでプレーする機会を手にした。パーカーは、ローズについて「ケガがあっても、それで彼の選手としての力が判断されるわけではない」と語った。パーカーを獲得したブルズも、彼の負傷歴に関して同意見のはずだ。そして、2回目の前十字靭帯断裂までキャリアハイとなる平均20.1得点、6.2リバウンド、2.8アシストを記録していたフォームを取り戻せると信じている。
ブルズには優れた若手も多く、再建は順調に進んでいる。だが、再びプレーオフに勝ち上がれるようになるには、少なくともあと数シーズンは必要という意見が多い。
2018-19シーズンが開幕する今年の10月、パーカーはブルズ史上19人目となるシカゴ出身選手としてコートに立つ。ローズのようにブルズを再び勝てるチームに変えられるかどうか、新天地での彼に注目したい。
.@JabariParker is ready to fly for Chicago.
? : "Fly Me Up" – Miss Mojo pic.twitter.com/kxUcANJ2tw
— Chicago Bulls (@chicagobulls) 2018年7月17日