19得点の砂川「苦しい時間帯に決めきることが自分の仕事」
ウインターカップ4日目、美濃加茂と対戦した福岡第一は調子の上がってこなかったセカンドユニットが奮起し、96-58と快勝を収めベスト8進出を果たした。
エースのハーパージャン・ローレンス・ジュニアと大黒柱のキエキエトピー・アリを軸に、『堅守速攻』を体現してここまで勝ち抜いてきた福岡第一だが、この試合までは脇を固める選手のパフォーマンスが上がってこなかった。
井手口孝コーチは連日、チームの出来について「あまり良くない」と渋い表情で語った。特に井手口コーチが気にしているのはセカンドユニットのパフォーマンスだ。それは「スタートの5人だけでは厳しい。バックアップの選手に頼らないといけない時間帯なりゲームが出てきます」と言うように、連覇を達成するにはベンチメンバーの底上げが必要不可欠であることを意味する。
こうして迎えた美濃加茂戦では、これまでの不調が嘘だったかのように、セカンドユニットが素晴らしいパフォーマンスを見せた。特に、アリに次ぐ19得点を記録した砂川琉勇の存在は光っていた。
「スタートが良い流れで繋いでくれて、自分たちがバックアップするのが今年のチーム。自分や當山(修梧)がまとめきれていなかったので修正していきたいですし、スタートが持ってきた良い流れを持続させたい」と、砂川はこれまでを振り返りつつ先を見据えた。
今日の試合では砂川が名前を挙げた當山も12得点を記録。試合前のアップの時から2人で声を掛け合い、覚悟を持って試合に臨んだという。一定の結果を出した砂川だが「流れが悪い時や苦しい時間帯に決めきることが自分の仕事」と話し、まだ自分の役割を果たせていないと感じているようだ。
明日は高身長選手が揃う仙台大学附属明成と準々決勝を戦う。「明成はサイズがあってリバウンドで圧倒してくると思うので気を付けたいです。相手が大きい分、横の動きや3ポイントシュートを見せていきたい」と砂川は意気込んだ。
「これまでやってきたことの発表会ですから」
セカンドユニットが機能したことで心配の種が一つ解消された福岡第一だが、井手口コーチは神妙な面持ちで取材に対応した。開志国際の棄権は、どのチームにとっても他人事ではない。1回戦で対戦した専修大附属の選手から陽性者が出たことで、開志国際の選手が濃厚接触者となる可能性があることを考慮し、日本バスケットボール協会は出場棄権を指示した。そして。開志国際はそれを受け入れ、3回戦を棄権した。
「私たちには自分たちのチームから(陽性者を)出さないことしかできない。僕らはラッキーなだけ」と井手口コーチは言い、こう締めた。
「試合ができなかったチームに対して僕らができることは、一生懸命に試合をすること。これまでやってきたことの発表会ですから、一番良いパフォーマンスをさせてあげたい」