前半はファウルトラブルに陥り消極的になるも、セカンドユニットが奮起
ウインターカップ3日目。昭和学院が優勝候補の岐阜女子と対戦し、一時は2桁のビハインドを背負うも、ディフェンスで勢いを取り戻して67-65で逆転勝利を収めた。
試合は留学生プレーヤーを起点にペイント内から得点を重ねる岐阜女子と、全員がどこからでもシュートを放つ昭和学院の対照的なオフェンスが繰り広げられ、拮抗した戦いが続く。
しかし、昭和学院は岐阜女子の得点源であるイベ・エスター・チカンソを抑えようとするがあまり、主力の三田七南と花島百香が第2クォーターの頭で個人ファウル3つとファウルトラブルに悩まされる。対する岐阜女子は、ファウルトラブルに陥りディフェンスがソフトになっている昭和学院のインサイドを徹底的に突き得点を重ねる。
32-36と昭和学院が追いかける展開で後半を迎えたが、三田が開始1分で4つ目のファウルを犯す。昭和学院は他のメンバーもファウルトラブルを恐れ、消極的なディフェンスになってしまい、開始5分間で34-50と14点リードを許す。しかし、昭和学院はここでセカンドユニットが積極的なディフェンスを行いチームに勢いを与える。ファウルを恐れずにインサイドでも最後まで粘りのディフェンスを見せ、岐阜女子のペイントアタックに対してもしっかりとカバーに入る。
ディフェンスを立て直して苦しい時間帯を耐えた昭和学院は、44-56と12点を追う展開でプレスディフェンスで試合の流れを変える。簡単にはボールを運ばせずに、タフショットを打たせてはディフェンスリバウンドからの速攻へ繋ぎ、ハーフコートでも激しいディフェンスを遂行し、チカンソを3秒バイオレーションに追い込むなど攻めのディフェンスを展開する。
オフェンスでも全員が積極的にリングへアタックし、残り2分半で西ファトゥマ七南の3ポイントシュートが決まり2点差に。そして、4ファウルでありながらも最終クォーターでは積極性を取り戻したキャプテンの三田がダブルチームで対応されても、果敢にリングにアタックしてバスケット・カウントを奪い、残り1分半で逆転に成功した。
「我慢強さで自分たちの方が勝ったと思います」
後半の岐阜女子は昭和学院の勢いに呑まれ、消極的なプレーが増え始める。こうして最後まで積極的なディフェンスを遂行した昭和学院がリードを守り切り勝利した。また、全員がどこからでもシュートを放ち、3ポイントシュートを23本中8本成功させた昭和学院に対して、岐阜女子は放った10本すべてが外れた。
ファウルトラブルに陥り、前半は消極的なプレーが目立った三田は、試合後に「やることを徹底できずにファウルトラブルをしてしまって、すごくチームに迷惑をかけてしまいました」と振り返る。それでも、最終クォーターには積極的なプレーを取り戻し、勝負どころをしっかりと抑えた。「第4クォーターまでの間に、2、3年生がしっかりと巻き返せる点差まで我慢してくれたので、最終クォーターは消極的にならずに自分のプレーができるように心がけて、強い気持ちでいくことができました」
一時は2桁のビハインドを負い、なおかつ昭和学院は主力メンバーがファウルトラブルに陥っていた。そして相手は昨年大会の準優勝チームである岐阜女子だ。この窮地から逆転できた要因を三田は「気持ちで勝った」と言う。
「岐阜女子さんも優勝を狙っていると思いますが、自分たちも絶対に負けないという気持ちでした。シーソーゲームの時は、その気持ちを出した方が勝つと思うので、その部分で自分たちの方が気持ちで上だったのかなと思います。我慢強さで自分たちの方が勝ったと思います」
昭和学院は明日、高知中央と準々決勝で対戦する。逆転勝利を果たしたこの勢いを維持して、目標の全国制覇を達成できるか注目だ。