ケンバ・ウォーカー

写真=Getty Images

残留希望も他選手との高額契約がネックになる可能性

チーム名が前身のボブキャッツ時代からホーネッツ一筋のキャリアを送っているケンバ・ウォーカーは、来年のオフにフリーエージェントになる。

来シーズン終了後に現在の契約を満了する影響もあってか、この夏には、キャバリアーズがレブロン・ジェームズ慰留に向けた切り札として獲得を検討していたと報じられるなど、移籍の噂が報じられ始めている。最近では、来オフに大物フリーエージェント選手の獲得を狙うと見られているニックス移籍の話も浮上した。だがウォーカー本人は、このままホーネッツでキャリアを送りたいと話している。

『The Athletic』とのインタビューで、ウォーカーは「自分がニューヨークでプレーしているとは思えない」とコメント。ニューヨークのブロンクス出身だとしても、心はシャーロットとともにあると、ウォーカーは続けた。

「自分はホーネット。これからも長くホーネットであり続けたい。だから(ニックス移籍の話は)なんとも言えない」

28歳のウォーカーは、2018-19シーズンに1200万ドル(約13億円)の年俸を受け取る。経済的にも右肩上がりに成長を続けるNBAにおいて、ウォーカーほどの選手なら、おそらく次の契約では年俸額は倍以上になるだろう。

ホーネッツに残りたいという気持ちは、本人のコメントから十分に伝わった。球団も、チーム歴代最多得点記録を保持するフランチャイズプレーヤーを手放したいとは考えていないだろう。しかしホーネッツの契約事情を見てみると、難題が待ち構えていることが分かる。

チームで2番手のニコラ・バトゥームとは2000万ドル(約22億円)超の大型契約を結び、ロールプレーヤーのマービン・ウィリアムズ、コディ・ゼラー、マイケル・キッド・ギルクリストとも1000万ドル(約11億円)超の高額契約を締結するミスを犯したことで、チームの財政は圧迫されてしまっている。現時点でも、2019-20シーズンの総年俸額は9000万ドル(約101億円)を超過。この状態でウォーカーとマックス契約を結べば、ラグジュアリータックスを支払うようになってしまうため、ホーネッツとしても1年後までに方針を決めなければならない。

仮にキャップスペースを整理できたとしても、ホーネッツはジレンマに陥るだろう。現代のNBAでは、ウォーカーのポジションであるポイントガードには優れた選手が多いため、2020年に30歳になるウォーカーと年俸3000万ドル(約34億円)を超える巨額の契約を結ぶのは、球団にとってリスクになるからだ。

オーナーのマイケル・ジョーダンは、ウォーカーの実力を認め、バスケットボールに取り組む姿勢に関しても高く評価しているが、彼がこのままホーネッツ一筋のキャリアを送れるかどうかを決めるには、少し時間がかかりそうだ。