知名梨里亜

「お姉ちゃんよりももっと上を目指したい」

ウインターカップ2回戦、県立西原は聖カタリナに48-86で敗れ最後の冬が終わった。

西原は183cmのセンター西村春佳に対し、徹底的にダブルチームを仕掛け、インサイドの失点を最小限に留めたことで第1クォーターを12-11とリードした。

しかし、センターへのダブルチームはアウトサイドのマークが甘くなるリスクもあり、聖カタリナの3ポイントシュートに当たりが出始めたことでジワジワと離されていった。また、ボックスアウトを徹底してもオフェンスリバウンドを取られる場面が何度もあり、高さの不利を埋められない。そして、聖カタリナはトランジションバスケットにも長けており、西原が得意とする速攻でも上回られて、完敗を喫した。

2年生ガードの知名梨里亜は、1回戦で20得点9リバウンド7アシストとトリプル・ダブル級の活躍を見せたがこの日は、強気なアタックやミドルシュートが影を潜めた。知名も「昨日と違って、いつもより消極的な部分が出て全然ドライブに行けなくて、ターンオーバーも目立ちました」と、自身のプレーを振り返った。

西村だけに12本ものオフェンスリバウンドを奪われるなど、リバウンドの差は確かにあった。だが、カタリナは全員がジュニアオールスター経験者であり、すべての技術が高い。知名も相手の強さを肌で感じてことで消極的なプレーを強いられた。「たくさんリバウンドを取られて、ディフェンスで前から当たったけど、全部裏に合わせられました。相手のほうが上だと感じてしまった。弱気になって逃げたプレーばかりしてしまいました」

西原の挑戦はこれで終わりだが、2年生の知名にはもう1年チャンスがある。シャンソン化粧品シャンソンVマジックに加入し、1年目ながらオールスターに選出された知名祐里を姉に持つことで、知名の知名度は急上昇した。過剰に注目を浴びることは時に選手にとってストレスとなる。だが、知名は「お姉ちゃんよりももっと上を目指したいという思いが大きくなりました」と、注目を力に変えるメンタルを持っている。

「大きいチームを相手にしても戦えるようにして、またここに戻ってきたいです」。姉超えを目指し、一回り成長した知名の姿をまたここで見たい。