女子ユニバ代表

写真=©WJBL

『女王』JX-ENEOSを相手に粘りのバスケットで健闘

この3連休、Wリーグでは恒例の『サマーキャンプ』が長崎県大村市のシーハットおおむらで開催されている。「試合を通して選手強化を図るとともに、審判の育成に努める」を目的として2018-19シーズンのWリーグに参加する12チームが勢揃い。ワールドカップに向けた準備を進める日本代表選手は不在となったが、今回は女子ユニバ代表が参加した。

14日、初戦の相手はJX-ENEOSサンフラワーズ。日本代表メンバーをごっそりと欠くとはいえWリーグ10連覇の『女王』に立ち上がりからスピードとパワーで圧倒されるも、すぐに立て直す。相手のプレッシャーが強く、速攻の形になってもフィニッシュまで行けない苦しい状況でも、積極的にアタックしてフリースローでつなぎ、第1クォーターを21-26と食らいつく。

それでも第2クォーター、JXがトラップを多用して高い位置から強烈なプレッシャーを仕掛けるとユニバ代表は対応できない。それでも高さのないインサイド陣が身体を張ったディフェンスでイージーシュートを許さず10点差前後で粘り、津村ゆり子、永田萌絵、中田珠未と強引なドライブから得点を重ねて31-35まで追い上げる。前半を終えて42-49は大健闘と言える。

後半は田中真美子のアウトサイドシュートからスタート。その田中は前半にはなかった果敢なアタック、ピック&ロールからのダイブから得点を重ねてオフェンスを引っ張る。リバウンドから谷口二千華が走る速攻が2回連続で飛び出し62-72と10点差に詰め寄る。それでも終盤は地力の差が出る。限られた人数でローテーションを回すJX-ENEOSだが運動量もプレーの質も落ちることなく、次第に点差が広がっていく。第4クォーター途中、昨年のユニバ代表でエースを務めていた林咲希に3ポイントシュートを決められ66-87と20点差に。

最後まで積極性を失わなかったユニバ代表だが、疲れに加えて点差が開いたことでプレーの精度が落ちていく。年齢的にはユニバ代表と変わらない梅沢カディシャ樹奈も日頃から『女王』の練習で揉まれているだけあって、終盤に力強さが際立った。

女子ユニバ代表

土壇場で激しさを取り戻し、トヨタ紡織との接戦を制す

2日目はトヨタ紡織サンシャインラビッツ、アイシン・エィ・ダブリュ・ウィングスと1日2試合のハードスケジュール。それでもトヨタ紡織との試合では、リバウンドでJX-ENEOS戦以上に身体を張り、出足の鋭さと積極性を攻守に押し出すことで第1クォーターから28-11と圧倒。

それでも後半に入りトヨタ紡織に押され始める。第3クォーターは前日の試合でプレータイムの少なかった松本愛美、アイメレク・モニィークがチームにエネルギーを注入して耐えたものの、60-49で最終クォーターを迎えると序盤から飛ばした反動が出て、出足の鋭さが鈍り、ボックスアウトの激しさもなくなって、残り6分で64-64と追い付かれる。

しかし、ここからタイムアウトで立て直すと、永田萌絵が接触を恐れずルーズボールに飛び込み、佐藤由璃果が得点にリバウンドにと奮闘。中田珠未のブロックショット、藤本愛妃のファストブレイクと土壇場でチームが激しさを取り戻した。相手の3ポイントシュートが外れたリバウンドから中田が速攻を決めて、タイムアウト後の4分間で10-2のラン。ガードながら身体を張る谷口二千華がリバウンドから走り、藤本のイージーレイアップをアシストして、76-66で勝ち切った。

女子ユニバ代表

アイシンAWには競り負けるも、貴重な経験に

トヨタ紡織との試合を終えて2時間だけのインターバルを挟んでのアイシンAW戦へ。特に中田珠未、田中真美子の先発インサイド陣は2試合でプレータイムが50分と体力的にキツい状況、前半を26-32とビハインドで折り返すが、後半になると『切り込み隊長』津村ゆり子が果敢なアタックの連発でチームに勢いを呼び込む。田中がインサイドで粘って獲得したフリースローで食らいつき、永田萌絵がドライブからレイアップをねじ込んで48-48の同点で最終クォーターへ。

ラスト5分で田中のポストプレーからのゴール下と速攻の連続得点が生まれ、再び速攻から髙田静が3ポイントシュートを決めて59-58と逆転。その後も中田珠未がオフェンスリバウンドをもぎ取ってバスケット・カウントの3点プレーで62-60と突き放しにかかったが、ここで足が止まってしまう。アイシンAWの選手とボールを大きく動かすオフェンスに付いていけず、残り1分を切って遠藤桐、北川愛理に難しいシュートを決められ、64-68で敗れた。

1勝2敗の結果は別として、観客が見守る中での実戦経験は学生主体のチームには貴重な機会だ。本番は来年7月にイタリアで開催されるユニバーシアード競技大会とまだ先だが、銀メダルを獲得した昨年大会に続いて結果を出すべく、チーム作りは進んでいく。