サイモン&ライスを中心に我慢強く戦った京都
川崎ブレイブサンダースvs京都ハンナリーズの第2戦。延長の末、初戦を制した京都はこの日も最後まで粘り強く戦い、1点差の激戦をモノにした。
京都の小川伸也ヘッドコーチが「第1クォーターにターンオーバーからの失点が17点あったので、入り方に大きな問題があった」と語ったように、序盤は川崎にペースを握られた。
川崎の激しいディフェンスを崩せず、24秒バイオレーションや8秒バイオレーションを犯し、第1クォーターだけで8個のターンオーバーを献上した。また、高さのミスマッチが生じ、熊谷尚也に2本の3ポイントシュートを含む12得点を奪われ先行を許してしまう。
それでも、京都はデイヴィッド・サイモンのポストプレーやベンジャミン・ローソンの高さを生かしたプレーなど、高確率でシュートが決まり、ポゼッションの差をシュート精度で補う。その甲斐もあり、ミスが目立ったが6点ビハインドで第1クォーターを終えた。
その後は拮抗した展開が終始続いた。前日に25得点を記録した松井啓十郎が徹底マークを受け、シュートを打つ機会がなかなか巡ってこずリズムに乗れなかったが、サイモンやレイヴォンテ・ライスがタフショットをねじ込み続けたことで京都は崩れない。また、最終的に28本中14本と高確率で3ポイントシュートを許したが、インサイドの守りを固めたことで、ニック・ファジーカスのフローターやミドルレンジの失点を最小限に留めた。
先行された京都だったが、ギリギリまでチームオフェンスを遂行し、ショットクロックわずかな場面でのシュートを決めきることで食らいつくと、第3クォーター中盤には寺嶋良が一瞬の隙を突き、連続でドライブを成功させてついに逆転に成功する。
川崎は調子の良い熊谷や増田啓介が3ポイントシュートを沈めるが、ファジーカスがボールをファンブルしたり、藤井祐眞がラインクロスのターンオーバーを犯すなど、大事な場面でのミスが目立った。
一方の京都は、得点源が仕事をしつつ、久保田義章と内海慎吾が3ポイントシュートを決めるなど、決してオフェンスの主役ではない選手の活躍もあり、わずかながら試合を優位に進めていった。
松井のフリースローで幕
京都が1点リードして迎えた残り12秒、時計を進めつつボールを託されたライスがタフショットをねじ込み、83-80と最低でも引き分けのシチュエーションへと持ち込む。
しかし、タイムアウト明け、デザインプレーから辻直人に3ポイントシュートを決められ、残り9秒で同点に追いつかれた。それでも、直後のオフェンスでフィフティフィフティのボールを確保した松井がファウルを獲得。1本目のフリースローを成功させて勝ち越すと、2本目をわざと外してオフェンスをデザインさせず、そのまま逃げ切った。
勝利した京都の小川ヘッドコーチは34-29と上回ったリバウンドを勝因に挙げた。「我慢強く戦い続けて、課題であるリバウンドで相手を上回れたのは大きかった。特に日本人選手だけで半分以上のリバウンドを取っているのが良かった」
小川ヘッドコーチが言うように、外国籍選手の総リバウンド数は18で、皆がリバウンドの意識を持っていたことがこの数字に繋がり、セカンドチャンスポイントを4点に抑えたことが勝因となった。
一方、敗れた川崎の佐藤賢次ヘッドコーチは「細かい遂行ミスやコミュニケーションミスがあったり、フリースロー、最後はファウルで終わりました。内容はそこまで悪くないですが、勝ち切るにはもっと突き詰めていかなければいけない」と、語った。
また、「ブースターの方にエナジーを与えなければいけない存在ですが、逆にもらっているばかりで、勝てなくて申し訳ない思い」と語り、今年最後のホームゲームで2連敗を喫したこと、そして、2年ぶりの3連敗を正面から受け止めた。
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