宇都宮ブレックス

プレーの質で上回り、15点リードで前半を折り返す

宇都宮ブレックスがホームにアルバルク東京を迎えた一戦。ディフェンスを強みとするチーム同士の対戦とあって序盤から重い展開となったが、攻守ともに細かな部分の精度で上回り、最後まで崩れなかった宇都宮が75-69で勝利した。

L.J.ピーク、ライアン・ロシターが決して簡単ではない3ポイントシュートをねじ込み、トランジションから遠藤祐亮も3ポイントシュートを沈めるなど、得意な展開が出た宇都宮が先行する。A東京は宇都宮のディフェンスを剥がせず、タフショットが多くなり、3ポイントシュートが決まらずにリズムを欠いた。

互いにピック&ロールからのツーメンゲームを多用するが、スクリーンのヒット率やシュート精度が宇都宮のほうが高く、ジワジワと点差を広げていく。また、オフェンスが停滞した際にはピークやテーブス海のドライブが効果的に決まった。また、ボールを運ぶ田中大貴から喜多川修平がスティールしてワンマン速攻を決めるなど、ディフェンスでも隙を見せず、39-24と大量リードを奪って前半を終えた。

後半に入っても宇都宮のペースで試合は進み、ターンオーバーを得点に繋げ、開始約1分で点差を20の大台に乗せた。だが、ディフェンスの強度を保つ中でファウルがかさみ、約6分を残してチームファウルが5個に到達してしまう。すると、このクォーターだけで12本のフリースローを許し、田中に個で打開され始め、次第にA東京にペースが傾いていった。

宇都宮ブレックス

要所を締めて流れを渡さずに逃げ切る

そして、最終クォーターに入り、デション・トーマスに3ポイントシュートを許し、小酒部泰暉にフリースローを決められ、ついに10点差まで迫られた。

だが、宇都宮はここで崩れなかった。しっかりとチームプレーを遂行し、ロシターのミスマッチの場面を作り出しては、オフェンス優位な状況から確実に加点し、常に10点前後の点差を保った。強みであるオフェンスリバウンドも飛び出し、連続得点を許しても3ポイントシュートで盛り返すなど、要所を締めた。

残り2分、終始安定したゲームメイクを見せた鵤誠司のミドルシュートが決まり74-62とセーフティーとも言えるリードを保つ。その後、安藤誓哉とカークに連続得点を許して反撃されるが、点差を計算しながら時計を進めた宇都宮が危なげない試合運びで逃げ切った。

ケガの比江島慎に代わり、先発起用が続くピークは、ロシターの20得点に次ぐ19得点を記録した。また、脚力とフィジカルを併せ持つピークはどんな相手にスイッチしてもミスマッチを生むことがなく、ディフェンス面での貢献も目立っていた。

ジェフ・ギブスのオフェンスリバウンドや竹内公輔の速攻、テーブスや鵤のアシストなど、それぞれが自分の役割をこなした宇都宮。最終スコアは6点差だったが、それ以上に力の差が見えた試合だった。