11シーズンをプレーし、優勝も経験したマブスに別れ
マーベリックスは、先日1年260万ドル(約2億円)のベテラン最低保証額で残留させたJJ・バレアの契約解除を決めた。
プエルトリコ出身のバレアは2006年にドラフト外でマブスに入団し、南米出身選手らしく小柄ながらタフ、そして試合の流れを読んでの抜け目ないプレーでチームを引っ張ってきた。NBAキャリア14シーズンのうち11シーズンはマブスに所属し、2010-11シーズンのNBA優勝にも貢献している。それでも、ルカ・ドンチッチという規格外のスター選手が加入したここ2シーズンは出場機会が減っていた。今回も控えのガードとしてキャンプに呼ばれたが、ロスターに残ることはできなかった。
マブスの一員として最後のメディア対応に応じたバレアは、内心ショックを抱えていただろうが、晴れやかな笑顔で「素晴らしい挑戦だった」と語る。
「厳しい決定があって、ダラスでの選手生活はこれで終わりになる。だけど、僕には良い思いでしかないよ。ファンからは素晴らしいメッセージをたくさんもらっている。まだ子供だった僕の成長をこの街は見守ってくれた。今では家族を持ち、妻と子供がいる。ダラスは僕の第二の故郷なんだ。僕がこれまでバスケをしてきた中で、一番の幸せを感じさせてくれた街だ」
球団社長とGMを兼任するドニー・ネルソンが、今回の決定を下した。だが、他ならぬネルソン自身が、この球団でバレアに最も思い入れのある人物だ。グローバルゲームでプレーするためにプエルトリコからダラスに初めて来た17歳のバレアと最初に話をしたのはネルソンだった。
「こうして彼に別れを告げるのは悲しいよ。彼はドラフトにかからなかったが、マブスを選んでくれた。彼との冒険は素晴らしいものだった。2011年のNBAファイナルで彼がサプライズで先発に抜擢されたのはすごかった。彼は多くの点で、何年も我々の心の拠り所となってきた」
マブスの関係者すべてがバレアには愛情を持っている。ただ、ドンチッチの控えにはジェイレン・ブランソンとトレイ・バークを置くという決断を下した。
バレアはまだ現役を続ける意向だ。「今シーズンは別のチームでプレーしたい。今年は新型コロナウイルスの状況もあるし、何が起きてもおかしくない。もしかしたら、またダラスでプレーすることもあるかもね。NBAでは何でも起きる、それを僕は見てきたから。何が起きるにしても、僕は前向きでいたい」