渡邊雄太

写真=Getty Images

第3クォーター途中まで18分のプレーで8得点

NBAサマーリーグ、渡邊雄太が所属するネッツの最終戦はペイサーズが相手。ネッツはこれまで出場機会の少なかった選手もプレーさせる中、渡邊はロケッツ戦に引き続き先発で出場した。

ただ、メンバーが変わったことで連携がなくなってしまい、個人技でも打開できずに形を作れず。ターンオーバーから先制点を許すスタートから2-11といきなり突き放される。渡邊はここでピック&ロールからサイズのミスマッチの状況を作ると自ら仕掛け、スピンムーブからのジャンプシュートを沈めて初得点を記録。続いてゴール下にタイミング良く飛び込んだセンターの動きを見逃さずパスを送ってイージーレイアップの機会をアシストした。

ディフェンスでは今年のドラフト全体50位で指名されたアリーゼ・ジョンソンとマッチアップ。スピードのあるフォワードに対してアジリティで負けず、ウイングスパンを生かしてパスコースをふさぎ封じ込む。ピック&ロールで引きはがされそうになる場面で腕を伸ばし、パスカットから速攻につなげるなど随所に好ディフェンスを見せている。強引な突破を許すシーンもあったが、結果として9得点を挙げたジョンソンのシュートは7本中2本しか決まらず。すべてが渡邊とのマッチアップではないにせよ、そのディフェンスが効いていたのは確かだ。

常にビハインドを背負う状況、後半にオフェンスで渡邊のビッグプレーが飛び出す。打開する手に乏しいネッツは渡邊を使ったピック&ロールの流れでズレを作り、アウトサイドでの1on1から渡邊がスピンムーブでマークを引きはがしてレイアップを沈める。

52-72と20点ビハインドの第3クォーター途中にアクシデントが起こる。速い攻めからゴールにアタックしてのシュートが強引にブロックされ、渡邊は空中でバランスを崩して腰からコートに叩きつけられた。起き上がってプレーを続けたが、プレーが途切れたところでベンチに下げられた。大事には至っていなかったが、大会を通じてプレータイムを得られていない選手もいる関係で渡邊がコートに戻ることはなく。渡邊が下がった時点での25点差が37点差に開き、79-116でネッツは敗れた。

渡邊は18分の出場で8得点3アシスト1スティール。そのプレーを最後まで見られなかったのは残念だが、サマーリーグというショーケースでの5試合を通じて現時点での持ち味をしっかりと提示し、『最高』に近いアピールができたのは間違いない。次の『挑戦』を楽しみに待ちたい。