富樫の負傷後、23-10と島根を圧倒
千葉ジェッツvs島根スサノオマジックの第2戦。千葉は第3クォーターに富樫勇樹が足を負傷する緊急事態に見舞われた。しかし、結果的にエースの負傷がチームの士気を高めることになり、このクォーターを31-16と圧倒した千葉が92-70で勝利した。
試合序盤、富樫が3ポイントシュートにドライブ、プルアップと様々な形から得点を重ね、途中出場の原修太が2本の3ポイントシュート成功に速攻と、高いオフェンス力でリードした。
第1戦では島根に20本のオフェンスリバウンドを許し、ペイントエリアで40失点を喫した。その反省を生かしダブルチームやボールが入る前のプレッシャーを強め、インサイドの失点を最小限にとどめる。さらにオールコートのトラップディフェンスが機能し、27-16といきなり2桁のリードを奪った。
だが、第2クォーターに入ると、ウィリアムス・ニカのパワフルなインサイドアタックを止められず、警戒していたインサイドで失点したことで流れが悪くなった。しっかりシュートチェックにいくも、橋本尚明に連続でタフショットを許してしまい、さらにはスティールからのワンマン速攻を浴びて、4点差に迫られた。
個人技で打開した富樫の3ポイントシュート成功により、千葉は7点リードで後半を迎えたが、その富樫にアクシデントが訪れる。ドライブから赤穂雷太の3ポイントシュートをアシストするも、このプレーで足を負傷し、ベンチに下がらざるを得なくなった。しかし、富樫と交代でコートに入った西村文男がこのピンチにも動じず、いきなり2連続でフィールドゴールを成功させる。
さらにディフェンスでは個々の強度が増すと、オフェンスでもボールと人が動くようになり、連動したチームオフェンスから加点していった。ケガの功名と言うべきか、富樫の負傷をきっかけにチームは活性化し、藤永佳昭の3点プレーとなるバスケット・カウントでリードを22点に広げ、そのまま点差を保ち快勝を収めた。
「あのリズムを持ってこれるだけの準備はできていました」
千葉は良いスタートを切ったが、突き放せないまま後半を迎えた。大野篤史ヘッドコーチは「ディフェンスのポジションが悪く、ボールラインを落とさなければディフェンスは機能しません。島根さんが置きたいポジションからプレーが始まったことが問題」と、ディフェンスでのエラーをその要因に挙げた。
また、千葉は結果的に富樫の負傷から試合を支配し始めたが、大野ヘッドコーチは「布石はあった」とケガが理由ではないと語った。「相手がタフショットを3本くらい決めたんですけど、それは打たせて良かったシュートです。良いコンテストもできていて、それが決まっていただけでした。あのリズムを持ってこれるだけの準備はできていました」
一方、島根の河合竜児ヘッドコーチ代行は「強みであるインサイドに対して、千葉さんの強烈なフィジカルコンタクトで封じ込められ重い展開になりました。40分間インテンシティを保ち続けられるかどうかが上位チームと自分たちの差なのかなと感じました。後半になって先に集中力を切らしてしまったことが悔やまれます」と、総括した。
今日の勝利で千葉はバイウィーク前から続く連勝を5に伸ばした。宇都宮ブレックスが大阪エヴェッサに敗れたため、リーグ首位に躍り出た。