アルビン・ジェントリー

写真=Getty Images

「彼とは何事も真正面から向き合わないといけない」

7月2日、王者ウォリアーズがデマーカス・カズンズとの契約合意を取りつけ、6日には正式発表となった。この大型移籍が成立したのも、フリーエージェントになったカズンズ本人からウォリアーズに打診があったためだった。

カズンズによれば、フリーエージェント選手との交渉が解禁されてから一つもオファーが届かなかったことに怒り、ミッドレベルでの契約でも構わないからとウォリアーズに逆オファーをしたというのだが、2日の早朝にボブ・マイヤーズGMに電話をかけてから合意に至るまで、約12時間の空白があった。オールスターのカズンズが自ら格安過ぎる契約で加入の意思を示したのだから、一朝一夕で決断していてもおかしくなかった。しかしウォリアーズには、カズンズと合意を取りつけるまでに確認しておくことがあった。

ヘッドコーチのスティーブ・カーは、元ウォリアーズのアシスタントコーチで、現在ペリカンズで指揮を執るアルビン・ジェントリーに連絡を入れた。カズンズがどういう選手なのか質問するためだ。ジェントリーは、カーとのやり取りを『Mercury News』に語った。

「私はスティーブに、『デマーカスとは、何事も真正面から向き合わないといけない』と伝えたよ。私はデマーカスの指導を楽しんだ。彼は素晴らしいタレントで、優勝したがっている。この2つの資質を持っていれば、成功を収める機会を得られる。我々は彼を加えて成功した。デマーカスの成功を願っている」

ジェントリーはまた、ペリカンズのフロントがカズンズとの再契約に関心を持っていたことも明かしている。カズンズはオファーがなかったことに激怒したと話したものの、左足アキレス腱を断裂する重症を負ってからほどなくして、ペリカンズのデル・デンプスGMは、カズンズに2年4000万ドル(約44億円)の契約をオファーしたとも言われている。結果的に合意に至らず、その時点でペリカンズはカズンズとの再契約をあきらめたようだ。

なにはともあれ、カズンズは来シーズンをスティーブ・カーの下でプレーする。カーがジェントリーと同様にカズンズを上手く操れるかどうか。その手腕の見せどころだ。