県立広島皆実の女子バスケットボール部は2年連続でのウインターカップ出場を決めた。2年生で初のウインターカップを経験し「会場の照明の明るさに驚きました」とフレッシュな感想をいまだ持ち続ける小西里奈と丸山愛友は、それぞれキャプテンとエースへと成長した。会場の雰囲気を含め、ウインターカップを一度経験している意味は大きい。今年は最上級生として、その経験を生かしながらチームを引っ張っている。そんな2人に本大会への意気込みを語ってもらった。
「たまに無表情になるので、柔らかい表情で（笑）」
──まずは自己紹介からお願いします。
小西 小西里奈です。出身中学は四季が丘中で、成績は県大会ベスト8です。ポジションはフォワードで、得意なプレーは3ポイントシュートです。最近ハマっていることは韓国ドラマを見ることです。日本のドラマとは恋愛物語が違って響くんですよね。最初はBTSから始まったんですが、そこから韓国ドラマを見始めたらとことんハマってしまいました。
丸山 丸山愛友です。国泰寺中出身です。ポジションはガードで得意なプレーはドリブル突破です。中国大会には3年間出場しましたが、全国大会には出たことがありませんでした。流行っているテレビを録画して好きな時間に見ることにハマっています。今は『この恋あたためますか』が面白くて、あのシュークリームも食べました！
──今度はお互いに他己紹介をしてください。
丸山 小西さんは視野が広くて、チームのために何ができるのかを最優先に考えてくれるキャプテンです。キャプテンになる前からプレーヤーとして頼れる存在でしたが、キャプテンになってからチームをより見てくれていて、さらにすごいなと思うようになりました。バスケ以外では変顔が得意でギャグも言うので、バスケの時とのギャップがすごいです。もう1人、ギャグセンスのある子がいるんですが、その2人が絡むとすごい迫力です（笑）。
小西 丸山さんは2年生の時から、ガードとして試合をまとめてくれています。どんな時でも絶対に点を取りきるし、コートの中でも一番みんなを引っ張ってくれる存在です。自分はキャプテンとして練習やゲーム中も声を出して引っ張らないとと思っている中で、丸山さんはエースとしてチームを引っ張てくれています。流れが悪い時でも得点を決めてくれて、ディフェンスでも流れを作ってくれるのでとても大切な存在です。
──お互いに大絶賛ですね！
丸山 うれしいです（笑）。
小西 恥ずかしいですけど、ちょっとうれしいです（笑）。
──逆に直してほしいところはありますか？
丸山 小西さんはたまに無表情になるんですよ。本人は何かを考えているから意識していないと思うんですけど、周りから見ると「何かあったのかな？」と思う時があるので、柔らかい表情でいてほしいです（笑）。
小西 いろいろ考えていたら本当にポワンとなってしまいますね。私から丸山さんに直してほしいところはないですね。ありのままなので。
丸山 イェーーーーイ！（笑）
学年を越えて「良いところを高め合える関係性です」
──広島皆実はどんなチームですか？
小西 チームの雰囲気は3年生から1年生まで学年の壁がありません。もちろん、先輩後輩としてちゃんとしなければいけない部分はしていますが、普段は学年関係なく親友みたいな感じで仲も良いので、先輩だから後輩を厳しい目線で見るのではなくて、良いところを高め合える関係性です。
丸山 3年生がまず1、2年生を引っ張るんですが、そうなると下級生が受け身になってしまうのでチーム作りは上手くいかないです。下級生でも3年生に対してプレー面など思ったことを言えるようなチーム作りを行っています。
──2人は去年初めてウインターカップに出場しましたが、当時はどんな気持ちでしたか？
小西 まず会場の雰囲気がすごく明るくて、コートも光っているじゃないですか。それに行き交う人が強豪チームの選手だったりして、すごく緊張しましたね。これが全国の舞台なのかというのをすごく感じました。いざコートに立ってみると無我夢中でした。
丸山 まずシューティングをした時の照明の明るさに驚きました。まぶしすぎて「こんな状態でシュートが打てるのか？」と思ったのが第一印象でした。試合では私たちよりも経験があるチームと対戦した時に圧倒されてしまって上手くプレーができませんでした。それでも卒業されたキャプテンに声をかけてもらって、なんとか自分を取り戻して初戦を突破することができましたが、やっぱり経験することはすごく大事だと感じました。
──2人とも照明の明るさに驚いたようですが、今年はさらに明るくなっていたらどうしますか？
小西 シュートが打てなくなるので、もし明るくなっていたら訴えます（笑）。
──広島皆実は男女ともにウインターカップに出場しますが、男子チームはライバル的存在ですか？ それとも良い仲間といった感じですか？
小西 男女は仲が良いので、お互いに応援しあっていますね。自主練とかも一緒にしていて、男子のガードの選手が上手いので丸山さんは教え合ったり。助け合いながらもお互いに良い刺激を受けています。
──今年のウインターカップでの目標を教えてください。
小西 ベスト8です。私たちは大きい選手でも170cm前半ぐらいしかなくて、本当にサイズがないチームです。全国常連校は留学生がいたり平均身長も高いので、サイズでは及ばない部分がでてくると思います。そういう時にボックスアウトからのリバウンドやディフェンスの粘り強さなど、平面的な部分で勝っていけば試合でも勝てると思っていて、そこがウインターカップで勝つために私たちが必要な材料だと思います。
──広島皆実は公立高校ですが「私立には負けたくない！」という思いはありますか？
丸山 公立、私立というのはあまり気にしていないですね。ただ、自分たちみたいに身長が低くてもベスト8に進むチームはいるので、私たちも同じように勝ち続けていきたいです。
「1人16点以上を取ればチームで80点は取れる計算です」
──ベスト8への自信はどうでしょうか？
小西 自信がないことはないですが、この間、全国大会に出るようなチームと練習試合をして、その時に自分たちの弱みを実感できました。まだ、チームとしても完璧ではないので、ウインターカップまでに留学生対策などをもっと練習していきたいです。
──先ほど、高さではないところで勝っていきたいと言っていましたが、広島皆実の脚力はどうですか？
小西 この時期は週に2回、近くの土手を走るメニューがあって走力はみんな付いてきているので、そこの部分は負けないと思います。丸山さんは短距離も長距離も速いですよ。
──話がそれてしまいますが、気になるので50メートルと1000メートルのタイムを教えてください（笑）。
丸山 50メートルは7.03秒くらいだったと思います。1000メートルは3分35秒ぐらいかなあ。
──速いですね！ 広島皆実と言えば、卒業生に著名人の方が多いですよね。
小西 陸上の為末大選手の話を聞いたり、本を読むことはあります。あと、奥田民生さんのサイン入りポスターが売店に貼ってあります（笑）。
──では、ウインターカップでの個人的な注目ポイントを教えてください。
丸山 私の好きなプレーであるドリブル突破からチームの流れを持っていくところを見てほしいです。さらに点を取り続けて、チームでトップの点数を取るところを見てほしいです。1人16点以上を取ればチームで80点は取れる計算で、まずはそれぞれが16点を取るという目標があるので、そこが最低ラインです。
小西 私は得意な3ポイントシュートでチームの流れを作っていくことと、味方のドライブに合わせてどんなパスを受けても、どんな態勢になってでも絶対にシュートを決めきるところを見てほしいです。
──広島皆実の注目ポイントを最後に教えてください。
小西 チームとしてはサイズがない分、ディフェンス面でボールマンプレッシャーや粘り強さからオフェンスの流れを作ることが皆実のバスケットです。なので、そういったディフェンスからオフェンスの流れを作るところを見てほしいです。
──チームの明るさが伝わってきました。この明るさは大会で広島皆実の試合を見ている人にも届きますか？
小西、丸山 お届けします！（笑）
