デリック・フェイバーズ

チームメートも復帰を歓迎

今年もフリーエージェント選手の移籍が相次ぐ中、デリック・フェイバーズが選んだ道はジャズ復帰だった。

昨年の7月、フェイバーズは2011年から8年半所属したジャズからペリカンズにトレードされた。このトレードが成立する前、ジャズはグリズリーズからマイク・コンリーを獲得し、フリーエージェントだったボーヤン・ボグダノビッチとも契約。すべてはオフェンスを強化するための方針で、高額な年俸を受け取っていたフェイバーズは自身のトレードを予期していた。

こうしたトレードの場合、わだかまりが生じるケースも少なくない。だがフェイバーズは、ジャズから希望する移籍先を聞かれ、それを実現させてくれた球団に感謝した。

ペリカンズではベテランとして若い選手を引っ張ったフェイバーズは、このオフにフリーエージェントになった当初は再契約を希望していたという。だが、ジェフ・ヴァン・ガンディをヘッドコーチに招聘したペリカンズの方針は若返りであり、29歳になったフェイバーズは自分の居場所はないと感じた。

フリーエージェント選手との交渉が解禁されると、フェイバーズはジャズから連絡を受けた。ただ、その時は契約やチームでの役割に関する具体的な話ではなく、お互いの近況交換程度のやり取りだったが、球団はフェイバーズを求めていることを伝えたかった。

フェイバーズもトレードされた1年前の段階から、いつかジャズに戻る可能性を感じていたという。退団からわずか1年での復帰になったが、本人は「その機会を与えられて飛び乗った」と入団会見で語った。

ジャズと3年3000万ドル(約31億円)の契約締結が報じられると、再びチームメートになるルディ・ゴベア、ドノバン・ミッチェル、ロイス・オニール、ジョー・イングルズなどからも歓迎され、フェイバーズはジャズファミリーの一員に戻った。

フェイバーズは「ユタに戻れてうれしい」と語り、こう続けた。「チームのシステムは分かっているし、球団も、街も大好き。慣れ親しんだ場所だし、自分にとってのホームだ。ユタには2010年からいたから、19歳からいたことになる。しっくりくるよ」

ゴベア、イングルズ、ミッチェルら古株との呼吸に関しては問題ないフェイバーズの復帰により、コンリー、ボグダノビッチ、ジョーダン・クラークソンらとの新たなケミストリーも生まれる。フェイバーズとジャズの『第2章』の行方に期待したい。