「その日が終わってしまうと、あとは未来を見るしかありません」
田口成浩にとって千葉ジェッツで迎える3年目の今シーズンは、順調とはかけ離れたスタートとなった。
昨シーズンは40試合すべてで先発出場、平均プレータイム21.9分で6.4得点、1.6リバウンド、1.6アシストを記録したが、今シーズンはプレータイムが半減して、それに伴い各スタッツも落ちている。
今シーズンは3ポイントシュート成功率も21.4%(28本中6本成功)と低迷している。勝負強さが持ち味のシューターである田口は、今までのキャリア9年間で3ポイントシュート成功率が35%を下回ったことが一度もない。田口は開幕からここまでを「泥沼のような状態」と表現した。
「練習が自信を与えてくれると信じています。それが試合で思い切ってシュートを打てる糧になると信じて、今までやってきていました。結果が出ない時は今まで以上にシュートの本数も増やしたりしましたが、それが正しいのかどうかも結果が出なかったので分からなかったです」
それでも前節の秋田ノーザンハピネッツとの第2戦では、11分のプレータイムで6得点を記録した。8試合ぶりの3ポイントシュート成功となり、船橋アリーナは大きな拍手で包まれた。田口は言う。「そうやって信じてずっとやってきたので、それを止めてしまうと今までの自分を否定してしまうことになると思い、信じ続けて練習してきました。今日は2本ですが結果が出たので、間違っていなかったのかなと思います」
バスケット選手は1本のシュートだったり、何か一つのきっかけでリズムを取り戻すことがある。田口は「本当に泥沼のような状態だったので、バイウィークは振り出しに戻った気持ちで練習を頑張っていきたいです」と語る。
シューターである彼にとってシュートを決めきることは選手としての価値を示す。それでも千葉でプレータイムを得るにはディフェンスが第一に求められる。田口は「これだけシュートが入らないシューターはいないと思うので、今の課題はシュートです」と言い、こう続けた。「ただ、ウチのベースはディフェンスなので、そこはシュートが入らなくてもやり続けないといけない。シュートが入る入らないに関係なくディフェンスはやっていかないと試合に出れませんので、そこはもっと意識しないといけません」
1本目の3ポイントシュートが決まった瞬間は、必死だったからあまり覚えていないと言うが、それでも結果を出したことで彼の視界に映る景色は変わってくるはずだ。今の田口にとって良い形でバイウィークを迎えられたことには大きな意味がある。「どんな結果であってもその日が終わってしまうと、あとは未来を見るしかありません。明るく良い景色の未来にするためにも、しっかりと準備をして頑張っていきたいです」
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