新アシスタントコーチにはカロン・バトラーが就任へ
今シーズンのファイナリストになったヒートが、チームの根幹を成す『カルチャー』強化に影響を与える2人を球団に加えることに成功した。
一人は、ヒート一筋のキャリアを送るユドニス・ハズレムで、本人が現役続行を宣言。そしてもう一人は、現役時代にヒートでプレーしたカロン・バトラーで、アシスタントコーチとして加わることが内定した。
今年の6月に40歳になったハズレムは、ヒートとベテラン最低保障額で再契約する見込みだ。マイアミで経営するレストランで取材に応じたハズレムは、18年目のシーズンを迎える理由をこう語った。「自分がマイアミヒートであって、マイアミヒートが自分自身。まだチームメートの役に立てることが分かった。だからこそ、ヒートで優勝を狙えるチャンスがある」
今シーズン終了後に引退を決断すると思われていたハズレムだったが、オーランドでの『バブル』で過ごした時間が彼の考えを変えた。「『バブル』に行く前の時点では、自分がどれだけチームメートに影響を与えていたのか分からなかった。みんなと時間を過ごす中で、自分がチームに影響を与えられていることを知った。それが分かって、また優勝を目指したいと思った。今シーズンだって、優勝まであと少しのところだった」
そのハズレムは、バトラーのチーム復帰を喜んでいる。2002年のドラフト全体10位でヒートから指名されたバトラーは、2004年にレイカーズにトレードされるまで在籍した。わずか2年の在籍とはいえ、2003年にドラフト外でヒートと契約したハズレムは、当時バトラーからプロのあり方を教わったという。
「カロン・バトラーには面倒を見てもらったよ。彼の加入については、コーチ・スポ(エリック・スポールストラ)とも話していて、少し前からこの話が進んでいるのも知っていた。素晴らしいね」とハズレムは話す。
「自分が球団に加わった時、カロン・バトラーの存在はチームの中で特別だった。彼が自分にプロとしてのあり方を教えてくれた。ただプロフェッショナルになるだけではなくて、マイアミヒートでプロフェッショナルになるという意味を教えてくれた」
ヒートと言えば、不屈の闘志を前面に押し出すチームカルチャーが最大の特徴だ。自身にも周囲にもハードワークを要求するジミー・バトラーがフィットしたのも、このカルチャーに適した選手だったからこそ。ハズレムは「マイアミヒートでのプロフェッショナルとは、求められるものが増えるということ。それは周知の事実さ」と言う。
レイカーズにトレードされて以降、バトラーはウィザーズ、マーベリックス、クリッパーズ、バックス、サンダー、ピストンズ、キングスを渡り歩き、2018年に現役を引退した。マブス時代の2011年に優勝を経験し、ウィザーズ時代にはオールスターにも2度(2007年、2008年)選出されるなど、選手としての実績も豊富だ。
ヒートがレイカーズとのファイナルに敗れた後、バトラーは『NBA TV』の番組でこんなことを語っていた。「今の主力を残して、ここに力がある選手を何人か加えられれば、相当に厄介なチームになる」
指導者としての経験はゼロだが、16年ぶりにヒート復帰を果たすバトラーの存在により、ヒートカルチャーはさらに強固なものになる。