岡山商科大学附属で全国に挑む納谷幸二の『第2の人生』(後編)「子供たちと一緒になって頑張るというスタンスで」

岡山商科大学附属で全国に挑む納谷幸二の『第2の人生』(後編)「子供たちと一緒になって頑張るというスタンスで」

2020/11/20
納谷幸二

2018年にウインターカップ初出場を果たした岡山商科大学附属は、これで3年連続の出場となる。1年目は初戦敗退を喫したが、2年目の昨年大会では2勝を挙げてベスト16進出を果たした。指揮を執るのは12年目の納谷幸二。かつてトヨタ自動車やアイシンシーホースで、そして日本代表として活躍したシューターの姿を思い出せるファンもまだ多いだろう。指導者キャリアの最初はトッププレーヤーとしてのプライドが邪魔をしたというが、12年目ともなれば板に付いたもの。様々な課題を乗り越えて、チームは全国大会の常連となりつつある。『ベスト8に安定して入る力を持ったチーム』を目指す納谷に話を聞いた。

「全国ベスト8が当たり前という力を付けることに集中」

──ウインターカップに臨む今年のチームを紹介してください。

今年のチームはスコアラーがいない状態、チームで戦わなきゃいけないところからスタートしました。スコアラーが育たなくてどうしようか、チーム力もなかなか上がらずに苦戦したのですが、ここ2カ月か3カ月で全体的にスイッチが入って、キャプテンを中心に頑張って点も取れるようになりました。今回の県予選では今までの中でも一番ディフェンスも良く、オフェンスの精度も上がって来て、良いゲームができたと思います。今年は特別なスコアラーがいるというより、日替わりでいいので誰か調子が良いプレーヤーが出てくるとかチーム全体で頑張ることを目指して、プレータイムもできるだけ分散して5人だけでは戦わないようにやっています。

あと1カ月半あるので、プレーの面ではシュート力が少しでも伸びればと思うのですが、1週間とか2週間でバスケットボールの技術が上がることはありません。ただ、気持ちの部分は一晩寝れば変わることができます。特にU18ではそういった面があるので、今回のウインターカップ本戦で選手たちのメンタルをどうピークに持っていくかを考えています。県予選を勝てたことで1日か2日は喜んでもいいのですが、そこでホッとしてしまっても困るので、そこはまた引き締めつつ本大会に上手く持っていきたいです。

──これまで全国の舞台で緊張して力を出せなかったり、悔しい思いをすることはありましたか?

ウインターカップ初出場の時がそうでしたね。これは忘れられないのですが、前半は緊張でガチガチの中でも戦えたのですが、後半の始めで走られて20点差ぐらい付けられて、その差で負けました。今の3年生はその時に1年生としてベンチに入っていた選手もいるので、よく覚えていると思います。そのあたりは1年目より2年目、2年目より3年目と慣れてきているので、今回は緊張なくゲームに入れるんじゃないかと思います。ただ、これは相手にもよりますね。

──全国で当たりたい相手、対戦したい相手はいますか?

勝ち上がった上で福岡第一とやりたいですね。それが我々にとって経験になると思います。仮にやられてもその経験を糧に、ステップアップできるはずです。練習試合も含めて試合をしたことはないので、胸をお借りするチャンスがあれば、という思いはあります。

──U18で勝つためには留学生の高さが一つのカギになってくると思います。留学生対策は考えていますか?

正直、今はまだ考えていません。自分の育てた選手で全国ベスト8に入れる力が常に持てるようになった時に、その次のこととして考えるかもしれません。今はまだ、全国ベスト8が当たり前という力を付けることに集中したいです。その意味では、高校バスケットではまず絶対に走れないとダメですね。高校生のうちから走らないバスケットをやっていたのでは、とてもじゃないけど勝てません。それとディフェンスするための足。練習でもよく言うのですが、足にスランプはありません。足を作ればシュートの調子が悪くても戦えます。そういうチームを作れば全国でも自信を持って戦うことができると思います。

納谷幸二

「今ある環境に感謝しながら日々の練習を」

──バスケットボール部の環境としてはどういった感じですか?

顧問の先生が2人いて、遠征のバスの運転などはやってもらっています。ただ、現場は私一人ですね。部員も45人いるので、2つに分けて毎日いろいろ工夫しながら練習しています。施設環境はものすごく良いかと聞かれれば、必ずしもそうではないかもしれませんが、今ある環境に感謝しながら日々の練習を行っています。

──これまで家族の支えも大きかったのではありませんか?

そうですね。最初の6年間は単身赴任で岡山に来ていました。息子が小学校1年生になるタイミングで家族で暮らし始めたんですよ。それまでは自分の子供なのに全然面倒は見れませんでした。今も見れていないんですけど、サポートしてもらってやっています。息子もバスケをやっているんですが、親父の話はあまり聞かないですね(笑)。私が指導者をやっていても、他の家よりも子供にバスケのことをああだこうだは言っていないと思います。

──納谷コーチのことを昔から知っているファンの方々もいます。ウインターカップ出場に向けたメッセージをお願いします。

昔から付き合いのある地元の友達からは「お前が学校の先生をやっているなんて信じられない」とよく言われるんですけど、自分では意外と板に付いていると思っています(笑)。バスケットも子供たちと一緒になって頑張るというスタンスでようやく芽が出てきました。全国に出ることができなかった期間の先輩たちが頑張ってくれたのはもちろんですが、ようやく指導者としての階段を一歩ずつ上り始めています。これからも今まで以上に、必ず上に行けるように努力してやっていくつもりです。

今大会は途中までは一般のお客さんは入れない無観客の大会になりますが、皆さんの前で「納谷がなかなか良いチームを作っているじゃないか」と言っていただけるようなバスケを見せたいと思います。機会がありましたら、昔の私を知っている方は是非お声掛けください。

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