齋藤とのマッチアップ「僕のポジションでまずは負けないと意識」
琉球ゴールデンキングスは昨日行われた名古屋ダイヤモンドドルフィンズとの水曜ナイトゲームに80-76で勝利した。開幕節で宇都宮ブレックスに連敗を喫したが、その後は負け知らずの11連勝とチームは絶好調だ。
そんなチームを支えているのが先発ポイントガードを務める並里成だ。昨日の名古屋D戦ではジャック・クーリー、ドウェイン・エバンスに次ぐ14得点を記録し、残り24秒には勝負を決める逆転の3ポイントシュートを沈めて勝利に大きく貢献した。
強度の高いディフェンスや球際の強さ、クーリーのリバウンドなど、琉球のチームとしての形はできつつある。並里は現在のチーム状況をこのように表現した。「やっと外国籍選手も揃いチームにも慣れ、チームの良い雰囲気が勝ちに繋がっている。外国籍選手がコンスタントにプレーしてくれて、日本人選手が頑張ってついていっている。それが良いチームになっています」
並里は観客を魅了するアシストやパワフルなドライブから得点もできるリーグ屈指のポイントガードだ。今シーズンから名古屋Dでプレーする齋藤拓実とのマッチアップは注目を集めた。並里は「ここ何年かで成長して、Bリーグを代表するくらいの選手だと僕は思っている」と齋藤を評価しており、少なからず意識していた。また、齋藤にアタックすることはチームのゲームプランでもあった。
「名古屋にやりたいプレーをさせないことが前提で、彼を苦しめようじゃないですけど、彼のところをアタックしようというゲームプランでした。彼は良いプレーヤーなので、プライドを持って僕のポジションでまずは負けないと意識して試合に入りました」
そんな注目のマッチアップを象徴するシーンがあった。最終クォーター開始1分、岸本隆一に代わり守備の場面からコートに立った並里は「大事な場面でちょっとでもプレッシャーをかけられた」と語ったように、圧力をかけ齋藤からバックコートバイオレーションを誘発した。
ターンオーバーで失ったポゼッションを取り返し、「どうだ」と言わんばかりの『ドヤ顔』を見せたが、次のポゼッションでは齋藤にオフェンスファウルを引き出された。「彼の上手さがあの場面で出ました」と、並里は言う。
「気持ちが昂っていたわけではなく、あれは彼が上手かった。フィジカルでコンタクトするところと引くところをうまくやっていて、彼がコンタクトしてきて僕がコンタクトしようとしたときに彼が引いてファウルを誘われました」
「僕らのバスケをやり続けないと今後の勝ちはない」
並里はトラッシュトークを繰り広げる選手としても知られている。相手を挑発し心理面を揺さぶるトラッシュトークをする選手は、時に心証を害することもあるが、並里にとってのトラッシュトークは「リスペクトを持った相手との駆け引きだし、自分への鼓舞でもある」と、以前の取材で語っていた。
そんなトラッシュトーク好きの並里だが、「(ジェフ)エアーズ選手とできるかなと思っていたんですけど、大人しくて、彼らしくないなと思いながらトラッシュトークはできなかったです」と話し、齋藤に対しても「彼は堅実で真面目なタイプ。そういうタイプの選手じゃなく、僕がトラッシュトークをしても返ってこないと思ったので、最初からやらなかったです」と、トラッシュトークは封印していたという。言葉ではなく、身体で表現した結果が先述の『ドヤ顔』に繋がったのだろう。
琉球は次節、球団記録更新となる12連勝を懸けて信州ブレイブウォリアーズと対戦する。昨日の試合では勝負強さを見せて接戦をモノにしたものの、最大18点のリードを覆される詰めの甘さも露呈した。並里も「自分たちに厳しく、もっとハングリーに僕らのバスケをやり続けないと今後の勝ちはないと思っている」と、反省を口にした。
好調な時ほど思わぬポカをしたり、勝ちを取りこぼすことはよくある。それでも「良い危機感を感じているので、そこを大事にして1試合1試合を戦っていきたい」と並里に慢心は一切見られない。このままハングリーさを維持できれば、球団記録更新となる12連勝の可能性はグッと高くなる。
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