インサイドを制圧し、最大で18点のリードを奪った琉球
名古屋ダイヤモンドドルフィンズvs琉球ゴールデンキングスの水曜ナイトゲーム。琉球はオフェンスリバウンドで15-3とインサイドで圧倒、セカンドチャンスポイントで17-8と上回り、試合を優位に進めたが、フリースローを大量に与えたことで終盤に逆転を許した。それでも、残り24秒に並里成が決勝3ポイントシュートを沈めて80-76で勝利。苦しみながらも連勝を11に伸ばし、球団タイ記録に並んだ。
試合序盤、琉球は持ち味である強度の高いディフェンスを披露し連続でターンオーバーを誘発。ディフェンスからリズムをつかむと、ドウェイン・エバンスが内外から得点を重ねて主導権を握った。さらにジャック・クーリーがシュートミスを自ら押し込むなど、持ち味であるオフェンスリバウンドの強さを見せつけた。
もちろん、クーリーのオフェンスリバウンド力は皆が知るところ。名古屋Dの梶山信吾ヘッドコーチも「かなり意識をして、ミーティングも重ねた」と対策してきたが、結果的にクーリーに8本ものオフェンスリバウンドを奪われた。また「ターンオーバーとリバウンドであんなにたくさんのポゼッションを失ってしまっては厳しい試合になる」と語ったように、主導権を握られ続けた名古屋Dは30-39とビハインドを背負って前半を折り返した。
後半に入っても琉球のペースが続いた。インサイドに注意が向く名古屋Dのディフェンスを見切った並里や今村佳太がミドルシュートを連発。第3クォーター残り3分を切った場面で岸本隆一の3ポイントシュートが決まり、この試合最大となる18点のリードを奪った。
終盤に完璧なプレーを遂行した琉球
このまま琉球が試合を締めるかに思われたが、藤田弘輝ヘッドコーチが「リードした時の詰めの甘さがあり、フリースローを打たれすぎた」と語ったように、ここから名古屋Dの反撃が始まった。琉球の強度の高いディフェンスの前に、特に前半はオフェンスで簡単にエントリーできなかった名古屋Dだが、リングへアタックする意識を増すことでファウルを誘発していく。第3クォーターだけで16本のフリースローを獲得して繋ぐと、最終クォーターでも9本のフリースローを獲得して点差を縮めた。
クーリーのインサイドに手を焼き続けたが、残り6分を切った場面でジェフ・エアーズがクーリーから個人4つ目となる、値千金のオフェンスファウルを誘発。さらに琉球にはベンチテクニカルファウルがコールされた。
テクニカルファウルで得たフリースローを沈めた狩野祐介が、オフェンスファウルで得たポゼッションでも3ポイントシュートを成功させ、名古屋Dは一気に流れに乗った。レオ・ライオンズの3ポイントシュート、安藤周人のドライブが決まり、11-0のランで同点に追いつくと、ライオンズのフリースローでついに逆転に成功した。
ここから一進一退の攻防が続いたが、琉球は終盤に立ち直り、完璧なプレーを遂行する。タイムアウト明けに、デザインしたプレーからエバンスが3ポイントシュートを沈めて1点差に詰め寄ると、残り24秒にはクーリーにマークが集中した瞬間を見逃さず、並里が3ポイントシュートを成功させて逆転。直後のディフェンスでは徹底したディナイでパスコースを塞ぎ、バックドアを狙った名古屋Dからターンオーバーを誘発した。このプレーが決定打となり、琉球が接戦をモノにした。
勝利した琉球の藤田ヘッドコーチは「並里選手のクラッチプレーに助けられた試合ではありました。大きなレッスンですが、勝って学べたのは一番良いこと」と、11連勝を達成して柔らかい表情を見せた。それでも、フリースローを多く与え、大量リードを覆されたことを教訓にし「goodチームからgreatチームになるためにしっかり詰めていきたい」と、勝って兜の緒を締めた。
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