トバイアス・ハリス

政治的発言をするのに職業は関係ないと主張

ジョージ・フロイドが警官に首を押さえつけられて殺害された事件は、『Black Lives Matter』活動が盛んになるきっかけとなった。そして、ウィスコンシン州ケノーシャで家庭内暴力の通報を受けた警官が黒人男性のジェイコブ・ブレイクに対して7発の銃弾を放った事件を受け、バックスがマジックとのプレーオフファーストラウンド第5戦をボイコットする事態にまで発展した。

『バブル』でのシーズン再開に際し、選手たちはNBAをプラットフォームとして、社会変革のためのメッセージを発信し続けてきた。だが、スポーツを純粋に楽しみたい層からしてみれば、こうした行動はノイズとして映り、「プレーに集中するべき」、「政治に口を出すな」との意見もしばしば見られた。

こうした状況に異議を唱えたのがセブンティシクサーズのトバイアス・ハリスだ。ハリスはTwitterに以下の発言を投稿した。「僕は少し混乱している。僕たちがNBAでプレーして給料を得ているから政治的な話をすることができないのか? 医師、清掃員、弁護士、教師、配管工、店長、レジ係、起業家、給仕人といった仕事で収入を得ているなら、それで政治を語る資格が得られるということなのか?」

日本でもテニスの大坂なおみの発言を快く思わない層は存在した。その一方で、スポーツをプラットフォームとした発言を聞き入れ、知らなかった問題についての理解を深めたり、行動を変えるきっかけにした人も相当な数がいたはずだ。この問題は何が正解なのか判断するのが難しいが、多様性を受け入れることが大切なのは間違いない。トバイアス・ハリスの声に耳を貸してもいいはずだ。