第3クォーターでA東京がディフェンスからリズムをつかむ
アルバルク東京が横浜ビー・コルセアーズのホームに乗り込んだ第2戦。終盤まで接戦が続いたが、72-65でA東京が勝利した。
A東京のルカ・パヴィチェヴィッチが試合後に「難しい試合を勝つことができて良かった。同時に横浜にも賛辞を送りたい。昨日の負けからしっかりと戻ってきて、このような戦いをして素晴らしかった」と言うように、第1戦とは打って変わって一進一退の展開が続いた。
第1クォーターは16-16、第2クォーターも20-17と前半はリードチェンジを繰り返す戦いに。A東京は外へ外へと仕向ける横浜のディフェンスに苦戦する。インサイドに簡単にボールを入れさせてもらえず、得意のピック&ロールをしても、すぐにヘルプに寄られてシュートまで繋げることができない。安藤誓哉のドライブや菊地祥平がインサイドで上手にファウルを誘うことで繋ぐが、田中大貴はオフボールでもアキ・チェンバースに激しくマークされなかなか得点を挙げることができない。
一方の横浜はディフェンスでリズムをつかむ。アレックス・カークや竹内譲次をダブルチームで抑え、インサイドからの得点を簡単には許さない。ローテーションもしっかりと行うことでヘルプに寄ってもその次のカバーもでき、A東京に隙を与えない。オフェンスでもピック&ロールやキックアウトの単発で終わるのではなく、そこから第3の攻め手がしっかりと機能し、得点へと繋いでいった。また、セカンドユニットのケドリック・ストックマン・ジュニアが積極的にドライブを行うことでA東京の注意を引き付けて味方を生かしつつ、自らも得点を挙げ、A東京と互角の戦いを続けた。
36-33とわずかにA東京がリードして迎えた第3クォーター。ここで試合が動き出す。A東京は1本のオフェンスリバウンドやスティールを着実に得点へと繋いでいった。ディフェンスもフルコートに切り替え、横浜にオフェンスを組み立てさせない。前線からのプレッシャーで横浜を追い込みミスを誘うと、そのまま速攻へ。前半ではファストブレイクポイントが互いに0点だったが第3クォーターだけで8-0とし、堅守速攻を体現したA東京が59-48とリードして最終クォーターへ。
しかし、この日の横浜は最後まで食らいつく。アキが攻守に渡りハッスルし、ディフェンスリバウンドからのコースト・トゥ・コーストなどで点差を縮める。さらに、秋山皓太の3ポイントシュートで3点差に。それでも試合巧者のA東京は勝負どころでのリバウンドやフリースローをしっかりとモノにすることで、迫る横浜を振り切った。
カイルヘッドコーチ「40分間、みんなで戦うことができた」
ルカヘッドコーチは「最後まで今日はどちらに主導権が行くか分からなかった」と振り返り、こう総括した。「横浜がウチのオフェンスを狭める守りをして、スペースを消して外に出させるようにしていた。もっとペイントアタックをするべきだったが、そこがやりきれなかった。ただ、その中でも勝ち星を取ることができたのは良かった」
一方敗れた横浜のカイル・ミリングヘッドコーチは「40分間、みんなで戦うことができた」と語り、A東京を相手に昨日の敗戦から立て直すことができた手応えを口にした。「試合前にも継続力について選手たちに話をした。昨日の敗戦を含め、攻守に渡ってプレッシャーに対応しなければいけない中で、今日はそこがしっかりとできていた。ミスもあったが、これから練習していけば良くなると思う」
この試合でオフェンスリバウンドの本数は15-17とA東京の方が少なかった。しかし、セカンドチャンスポイントは21-11と上回り、チャンスを抜け目なく得点にする勝負強さを生かして接戦を制した。
ただ、横浜も敗れはしたものの、最後まで全員でハードワークする姿は今後に繋がるもの。また、ストックマン・ジュニアや須藤昂矢といったルーキーも存在感を発揮し、チームの成長を感じさせる試合となった。
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