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派手さには欠けても実力では過去最高のチームに?

リオ五輪に向けたエキシビションゲーム3戦3勝のチームUSA。デマーカス・カズンズは、アルゼンチン戦、中国戦に出場して平均15.6得点、11.0リバウンドを記録し、アメリカ代表のインサイドの要として活躍している。

代表チームで求められる役割についてカズンズはこう語る。「僕とデアンドレ・ジョーダンの仕事は、攻守の両面でプレーを支配すること。リバウンド、ディフェンス、フロアを走り回り、とにかく汚れ仕事をこなすことだ」

調整試合とはいえ、3試合とも内容、スコアともに圧倒する大勝である。これだけ順調だと慢心も生まれそうなものだが、カズンズは「必要なレベルには全く届いていない」とバッサリ。気の緩みは一切感じられない。

「まだミスが多いよ。ターンオーバーだってかなりの数あるしね。その大半が、不必要な形でのもの。相手にイージーな形で得点機会を与えてしまっているし、ディフェンスも崩れてしまっている。まだまだやることは多い」

レブロン・ジェームズ、ステファン・カリー、ラッセル・ウェストブルック、ジェームズ・ハーデン、クリス・ポールらスター選手が続々と出場辞退を表明した今大会のアメリカ代表は、一見すると地味だ。スターと呼べるのはカーメロ・アンソニー、ケビン・デュラントくらいだが、両選手ともに『NBAの顔』と呼ばれる存在ではない。

しかし、アメリカを代表するに十分な実力を持った選手が集まっているし、超ビッグスターの不在はむしろチームのバランスを取るのにプラスになっているとも見える。今大会のチームUSAに対する反響があまり聞かれないのは残念だ。

NBA選手が出場するようになった1992年のバルセロナ五輪以降、アメリカ代表は常に『ドリームチーム』と呼ばれてきた。今回のチームは人気面でこそ過去6大会に出場したアメリカ代表の中で最も低いかもしれないが、チームの完成度では、ひょっとすると史上最高のチームUSAとなるのではなかろうか。

相次ぐ代表辞退や純粋なセンタープレーヤー不足で戦力が不安視されたが、どうやら杞憂に終わりそうだ。