確かなディフェンス力と突破力を証明
10月9日、宇都宮ブレックスは信州ブレイブウォリアーズとの第1戦に74-52で勝利した。この試合で、チームへの合流が遅れていたLJ・ピークがBリーグデビューを果たしている。
第1クォーター残り1分47秒、遠藤祐亮と交代でコートに立ったピークはさっそく定評のあるディフェンス力を見せつけた。196cmとは思えない軽快なフットワークでドライブを防ぎ、信州のオフェンスを停滞させる。そして、第2クォーター開始3分すぎには、デザインされたプレーからノーマークでボールを受け、記念すべき初得点を3ポイントシュートで記録した。球離れが非常に良く、タフショットを打たずにパスを優先するなど、アンセルフィッシュなプレーに終始したピークは、3得点3リバウンド2アシストを記録し、チームの勝利に貢献している。
デビュー戦を終えたピークは「このチームメートとプレーできてとても楽しかった。ターンオーバーが多かったのでそこを修正して、チームのシステムを覚えてこれからもやっていきたい」と語った。
数字のインパクトには欠けるが、それは宇都宮がスペーシングを大事にし、得点が一人に偏らないスタイルであることが大きい。ピークも「ボールをシェアしてチームでプレーする印象」とブレックスのスタイルを語り、「僕はこのスタイルに合っていると思う」と、手応えをつかんだようだ。それでも、約16分間のプレータイムでチームワーストとなる3つのターンオーバーを犯してしまい、失格を表す「F」と厳しい自己評価を下した。
ピークが突出した数字を残せなかったのは仕方のない面もある。1週間練習をしたとはいえ、2月上旬以来の実戦ともなれば試合勘は鈍っている。また、指揮官の安齋竜三が「少しプレータイムを与えながら、そこでコンディションを整えてもらおうという意図ももちろんあった」と明かしたように、コンディションは万全ではない。
また、ターンオーバーが多かったのも連携が不十分だったからにすぎない。ドライブからそのまま強引にシュートに持ち込んでもいい場面でパスを選択し、味方が虚を突かれる場面もあった。ピークも「チームメートは何が得意で、どこでボールが欲しいかを学んでいる最中」と語っており、ケミストリーが向上すれば、こうした問題もいずれ解消されるはずだ。
万全ではない中でガードからインサイドプレーヤーまで守れるディフェンス力と突破力を証明したピーク。これから徐々にコンディションを上げていき、身体のキレやスピード、シュート力が戻れば、宇都宮の総合力は各段にレベルアップする。
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