キャプテンとして「意見を言い合える環境を作りたい」
京都ハンナリーズはホームで迎えた開幕戦で富山グラウジーズに手痛い連敗を喫した。敗因はまずジュリアン・マブンガを止められなかったこと。過去3シーズン、京都のエースを務めたオールラウンダーは、第1戦でBリーグにおけるキャリアハイの46得点を記録。特に終盤に彼のロングスリーを防げなかったことが敗因となった。続く第2戦では京都の大黒柱、デイヴィッド・サイモンが欠場。一方のマブンガはこの試合でも28分間のプレーで22得点を挙げており、京都ディフェンスは彼を止められなかった。
永吉佑也はサイモン不在の第2戦で奮闘したものの、勝利には繋がらず。試合後のメディア対応では「2試合完敗してしまってコメントもしづらい心境ですが、今の状況がこの結果で、僕らはあと58試合、チームとして前を向いて進んでいく」と語る。
「やっぱり悔しくて、ロッカールームでも下を向いてしまうような状況でしたが、来週に試合がありますし、今日は悔しがって噛みしめて、次の練習から前を向けるようになっていればいいと思います」
今シーズンからキャプテンを務める永吉にとっては、さっそくチームリーダーの資質が問われる場面となったが、それは負けた試合の後ではなく、そこから1週間の準備をどう過ごすかだと彼は考えている。
「負けて笑っているようなチームだったら僕は嫌だし、今日の試合はみんな悔しがっていて、それでいいと思います。次の練習で切り替わっていなかったら、そこはキャプテンシーが問われる部分です。負けて落ち込むのはもちろんですけど、切り替えはすごく大事だと思います。その中で自分の意見を言いたい選手が言えなかったり、コーチも言いづらいとか、そういう雰囲気が出るようだったら、自分の経験を生かすのが大事だと思いますし、キャプテンとしてそこはみんなと意見を言い合えるように取り組みたいです」
今シーズンから指揮を執る小川伸也ヘッドコーチから『キャリア初』のキャプテンに任命された永吉。キャプテンになった時の「これまで以上に身が引き締まる思い」は変わっていないが、だからと言って特別に気負うことはない。
「キャプテンだからどうこうは掛け声ぐらいしかないととらえていて、練習で一番最初に取り組む、自主練から始まりますが、そこは誰にも負けないよう最初に靴紐を結ぶようにしています。もう一つは意見を言い合える環境を作りたいというのが僕の中にあります。ベテランの選手たちは率先して言ってくれますが、もっと若手も言えるように、自分からも聞いてあげるよう心がけています」
「まだまだ2試合戦っただけのチームで、僕たちに足りないのは信頼関係です。もっと流れるようなパスをしたり、そういう部分で全員バスケを作っていけると思うので。まだ2試合だけなのでビデオ見て、そこも来週の練習からってところからですね」
新生ハンナリーズはスタートしたばかり。ヘッドコーチが代わり、選手も大きく入れ替わり、なおかつ新型コロナウイルスの影響で思うように進まないことも多々あった。だが、シーズンが開幕した今、言い訳はできない。試合の結果に一喜一憂するのではなく、試合と試合の間にある日々の練習の質を高めることが、最終的なチームの実力に繋がるはずだ。キャリアの中で様々な経験を積んできた永吉は、ベテランと若手を結び付ける意味で存在感を強めていくに違いない。