ダニエル・タイス

シャックはヒートでNBA制覇に貢献したクリス・アンダーセンと比較

東カンファレンスファイナルでヒートに敗れたとはいえ、セルティックスが今後楽しみなチームであることに変わりはない。ジェイソン・テイタム、ジェイレン・ブラウン、マーカス・スマートといった若手とベテランのケンバ・ウォーカーが軸のチームは、2020-21シーズンもさらにレベルアップした姿を見せるだろう。

彼らがセルティックスの躍進に貢献したことは言うまでもないが、アシスタントコーチのスコット・モリソンは、『影のMVP』にセンターのダニエル・タイスを挙げている。ドイツ出身のタイスは、NBA3年目の今シーズンからレギュラーに定着し、プレーオフでも17試合に出場して平均8.9得点、6.2リバウンドを記録。テイタムやウォーカーのように目立つ存在ではないが、プレーオフではオフェンスリバウンド(1.9)とブロック(1.2)でチームトップの数字を残すなど欠かせない存在になっている。

モリソンはポッドキャスト番組『World of Basketball podcast』に出演した際に、「今シーズンのタイスを見れば、チーム内でベストバリューの契約と言える」と絶賛した。「シーズン開幕から終了まで、彼はリーグを代表するチームで先発を任された。それに東カンファレンスのファイナリストにもなった。得点で目立つ選手ではないからメディアはあまり取り上げないだろうが、ウチの選手が決めた得点の大半は彼のプレーがあったからこそだ」

「ボールムーブ、パスも良いし、サイズ(203cm)を考えれば機動力もある。リング周辺でボールをキャッチできる選手だから、相手にとっては脅威だ。あまり評価されていないかもしれないが、タイスが多くをこなしてくれているからこそ、他の選手が評価されている」

ヒートとのカンファレンスファイナルではオールスターのバム・アデバヨを相手に仕事をさせてもらえなかったものの、今シーズンの経験は大きいはず。球団社長のダニー・エインジも「ダニエルは、シーズンの大半で相手のビッグマンを上回るプレーをしていた」と評価している。

あのシャキール・オニールも、『汗かき役』に徹するタイスに感心している。ラプターズとのカンファレンスセミファイナル第5戦までタイスの名前を把握していなかったようだが、シャックは「あの選手はすべてのプレーでコートを走り回っている」と出演したテレビ番組でコメントすると、『バードマン』の愛称で知られるクリス・アンダーセンと比較して絶賛した。

これからもチームを牽引するのはテイタム、ブラウン、スマートのトリオだろうが、リバウンド、パス、機動力を生かした粘り強いディフェンス、スクリーン、絶妙なポジショニング、相手ディフェンスの死角を突くカットからの得点など、タイスがセルティックスにもたらすものは大きい。28歳と決して若くはなくても、『縁の下の力持ち』としてさらなる活躍が期待できる。

https://youtu.be/Yt71RlmQpo8