レブロン・ジェームズ

デイビス「またファイナルに連れて行ってあげたい」

レイカーズがナゲッツとの西カンファレンスファイナル第5戦に117-107で勝利し、2010年以来のNBAファイナル進出を決めた後、レブロン・ジェームズはカンファレンス優勝トロフィー授与式前にコートに座り、物思いにふけっていた。対戦したナゲッツのこと、シリーズのこと、チームメートのこと。その中でも特に彼の脳裏を過ぎったのは、今シーズンからチームメートになったアンソニー・デイビスについてだった。

「ADについてもいろいろと考えた。彼には、今までにこのリーグで見たことがない景色を見せたかった。個人的にも、このシリーズを勝ち上がれたのは大きい」と、レブロンはデイビスへの思いを口にした。

2人の間には共通した思いがある。昨年のオフにペリカンズからレイカーズにトレードされたデイビスは、レブロンから「君にとって初めての(優勝)リングをプレゼントしたい」と言われたという。そしてデイビスもレブロンに「またファイナルに連れて行ってあげたい」と伝えた。

「レブロンにはいつも『お互いに支え合おう』と言っている。特に今日のような試合ではね。どのシリーズでもそうだけれど、彼か自分が引っ張れば、チームも前進できている」

「ただ、何よりもお互いにがっかりさせたくないという気持ちが強い。僕がこのチームに来た理由は分かっている。僕たちは優勝したいんだよ。あと4勝のところまで来ている。もし優勝できなかったら、彼は自分をがっかりさせてしまうと思っている。それは僕も同じ気持ちで、優勝できなければ彼を失望させてしまうと思っている。彼だけではなくてチーム、球団をがっかりさせてしまうことになる。だから、そういう気持ちは味わいたくない」

レブロンは、2008年に公開されたコメディ映画『俺たちステップ・ブラザース -義兄弟-(英題:Step Brothers)』を引き合いに出し、自身が主演のウィル・ファレルで、デイビスが助演のジョン・C・ライリーとコメントした。これを聞いたデイビスは「それで構わないよ。素晴らしい映画作品だしね。たしかに、僕たちは義兄弟に近い。チームを引っ張っているのは彼で、僕はそのチームに加わって、自分流のやり方でチームを一つにするためにやっている」と答えた。

またデイビスは「レブロンは素晴らしい人だし、もし彼が主演のウィル・ファレルのような立場になりたいのならそれで構わない。僕にあと4勝をくれれば問題ないさ」と、笑った。

ファイナルの相手がセルティックスかヒートになるかは分からないが、優勝まであと4勝に迫った。レイカーズを引っ張る『義兄弟デュオ』は、お互いの期待に応えたいという気持ちで今シーズン最後のシリーズに臨む。