答えは「最もインパクトを与えた選手に与えられるべき」
グリズリーズのジャ・モラントは、NBA2019-20シーズンのルーキー・オブ・ザ・イヤーを受賞して「すごく光栄だ。この旅は険しいものだったけど、最終的にはすべて報われた」と喜びを爆発させたが、それと同時に「まだやるべきことはたくさんある」とも語っている。
その一つが、100名のジャーナリストで唯一、自分に票を投じなかったのが誰かを探すことだった。100名のうち99名は1位票をモラントに投じているが、1人だけがザイオン・ウイリアムソンに投票していた。受賞が決まった際に、彼はこうコメントしている。
「その人とザイオンに感謝する。僕をさらにやる気にさせてくれた。誰がザイオンに投票したか分かれば教えてほしいよ」
9月19日にリーグが投票の内訳を公表したことで、その1人が『シカゴ・サン・タイムズ』のジョー・クロウリー記者であることが明らかになった。モラントからTwitterを通じて連絡を受けたクロウリー記者は、モラントではなくザイオンに投票した理由をこうツィートした。
「ジャは卓越した選手だけど、ルーキー・オブ・ザ・イヤーは最もインパクトを与えた選手に与えられるべきだ。NBAはザイオンを中心にテレビ中継のスケジュールを組み、ザイオンのために『バブル』参加チームを増やすことまでした。ザイオンの出場した24試合はみんなテレビに釘付けだった。私はそれを考慮した」
モラントはこの意見に納得したようで、お互いに挨拶してやり取りを終わらせている。
どの選手も「個人賞には興味がない、大事なのはチームの勝利」と口を揃えるが、プロ選手であれば自分の価値を高めることに関心を持つべきだし、個人賞はその大きな勲章になる。選考の過程が気になるのは当然だ。『ほぼ満場一致』でルーキー・オブ・ザ・イヤーを受賞したモラントも、完璧を目指して今オフは新たなスキル習得と身体強化に励むだろう。
シーズンを通した活躍とチーム成績への影響を考えればモラント、世間へのインパクトであればザイオン。この現状を来シーズンにモラントが変えられるかどうか。大変な課題ではあるが、モラントはやるつもりだ。