ハワードvsヨキッチ、ファウルが勝負の分かれ目に
西カンファレンスファイナルはレイカーズとナゲッツの一戦に。『守』のレイカーズと『攻』のナゲッツ、という構図が明確になりそうなシリーズ第1戦は、実際にその通りの展開となった。
レブロン・ジェームズに引っ張られて試合開始からインテンシティの高いディフェンスで主導権を取りに行ったレイカーズだが、ニコラ・ヨキッチにつくジャベール・マギー、ジャマール・マレーにつくダニー・グリーンが早々に2つのファウルをコールされて勢いを落とさざるを得なくなった。これでペースが上がってオフェンスの打ち合いに。望み通りの展開となって勢い付いたナゲッツが点差を詰め、第1クォーターの最後にマレーが逆転ブザースリーを決めて38-36とリードした。
第2クォーターが始まって間もなく、ドライブで仕掛けたレブロンが足首をひねって倒れ込む。映像を確認すると明らかに捻挫しているのだが、レブロンは立ち上がってプレーを続け、ダンクにアリウープと強烈なプレーでチームメートを発奮させる。ここからレイカーズは再びディフェンスのインテンシティを上げてナゲッツの攻めをシャットアウトし、一気に2桁のリードを奪った。
この間、マギーに代わってヨキッチのマークを担当したドワイト・ハワードが、フィジカルで削りに行くことでヨキッチにストレスを与え続ける。その結果、ヨキッチがボールに絡まない場面でハワードに対して個人2つ目、3つ目のファウルを連続してコールされてベンチに下がることに。さらにはマレーとポール・ミルサップまでファウルトラブルとなった。レイカーズのフリースローの確率の悪さに助けられたナゲッツは何とか10点前後の点差で食らい付くも、不利は否めなかった。
59-70と11点ビハインドで迎えた後半、ナゲッツは先発メンバーをコートに戻して反撃を試みるが、開始からたった40秒でヨキッチが個人4つ目のファウルをコールされてしまう。事実上、この時点でナゲッツの勝機は潰えた。レイカーズは堅守からのトランジションを軸としつつ、ローテーションが崩れたナゲッツのディフェンスの隙をラジョン・ロンドが的確に突いてリードを広げた。
第3クォーター終了時点で79-103。ナゲッツは早々に主力を下げて白旗を掲げた。これに合わせレイカーズも主力をベンチに戻すと、レブロンは試合終盤を見届けることなくベンチへ。第2クォーター開始早々にケガをしていたのは間違いなく、痛みを抱えながら堅守とトランジションを引っ張り、15得点6リバウンド12アシストでチームをシリーズ初戦の快勝へと導いた。
アンソニー・デイビスはヨキッチが不在のインサイドを蹂躙。ミルサップやメイソン・プラムリーをパワーで押し込み、またミドルレンジのシュートも確率良く決めて37得点をマーク。さらには10リバウンド4アシストとマルチな活躍を見せた。デイビスは「とにかくアグレッシブに行くこと。それが僕の仕事だ。ヨキッチとマレーのオフェンスをすべて止めることはできないけど、戦い続けるのが大事。今日はディフェンスで良いプレーができたし、トランジションで走ることができた」と満足気にコメントしている。
ナゲッツはこのプレーオフでジャズとクリッパーズを相手に1勝3敗からの逆転で勝ち上がってきた不屈のチーム。先勝したからと言って油断はできないが、大事な初戦を取ることの意味は、レブロンが無理をしてプレーを続けたことからも明らかだ。レイカーズが素晴らしい内容で、まずは初戦を制した。