延岡学園の選手による蛮行、高体連が処分を検討

今日、長崎県の大村市体育文化センターで行われた全九州高校バスケットボール大会の最終日、第2試合の福岡大学附属大濠(福岡)と延岡学園(宮崎)の試合で前代未聞の事件が起きた。

試合中、ファウルのコールに不満を持った延岡学園の選手が審判を殴打。審判はそのまま倒れて担架で運ばれ、試合は中断。そのまま没収試合となり規定により20-0で大濠の勝利となった。大会はそのまま行われ、福岡県勢同士の対戦となった決勝では福岡第一が大濠を下して優勝している。

延岡学園はBリーグの選手を多数輩出する名門校。ウインターカップでは2011年から2連覇の偉業を達成しており、今夏のインターハイにも宮崎県予選を勝ち抜いて出場の権利を得ている。

男子日本代表の国際強化試合が終わった後に行われた、日本バスケットボール協会からの説明によれば、この大会は高体連による主催のため、処分は県の高体連で判断するとのこと。協会としては学校、県高体連、そして全国高体連の対応を見守るスタンスとなる。また、それと並行して傷害事件として警察の捜査も行われるようだ。

Bリーグ発足から間もない時期、日本代表でも実績のあるベテラン選手はこう語っていたのを思い出す。「これまでバスケットボールが大きく取り上げられるのは不祥事ばかりで、体罰だったり国際試合禁止処分だったり、そういう事件ばかりが注目されて、悔しい思いや寂しい思いをしてきました。こうやって注目してもらえるようになって、今まで以上に僕たち選手が頑張って、バスケットボールの悪い面ではなく良い面、エキサイティングで素晴らしいスポーツであることをアピールしていきたい」

現在はBリーグ2年目のシーズンが終わり、日本代表はワールドカップ予選を控えた調整の時期にある。この日はゼビオアリーナ仙台に韓国代表を招いてのテストマッチが行われていた。歴代最強の帰化選手になりそうなニック・ファジーカス、そしてアメリカのNCAAで大活躍する八村塁が加わった代表チームに注目を集めたかったのが関係者一同の思い。ところが、地方の高校生の大会の、プレーとは関係ない蛮行が注目される、やるせない事態となってしまった。