リング獲得を優先するベテランがウォリアーズ入りを望む
キャバリアーズと4年連続で対戦したNBAファイナルをスウィープで制したウォリアーズは、2年連続、そしてここ4年で3回目の優勝を果たした。
6月12日には地元オークランドで優勝パレードが行なわれ、その後は選手たちも休養に入る。
今夏のウォリアーズは、ヘッドコーチのスティーブ・カーとの延長契約、フリーエージェントになるケビン・デュラントとの再契約、来シーズン終了後に契約を満了するクレイ・トンプソン、2年後に満了するドレイモンド・グリーンとの延長契約を最優先事項に挙げているが、気になるのはベンチメンバーの補強だ。
2012年から16年までウォリアーズに所属したアンドリュー・ボーガットは、オフにウォリアーズがロスターをアップグレードさせると予想している。Twitterに古巣の優勝、それからキャブズを文字通り一人でファイナルに導いたと言っても過言ではないレブロン・ジェームズを称える投稿をした際、ウォリアーズの強みについて、「他チームが2018-19シーズンにウォリアーズに勝てるかって? 恐ろしいのは、彼らがオフシーズンにロスターを一新することだ」と書いた。
ステフィン・カリー、デュラント、トンプソン、グリーン以外で2018-19シーズンの契約が保証されている選手はアンドレ・イグダーラ、ショーン・リビングストン、ルーキー契約期間中のジョーダン・ベル、シーズン終盤に契約を勝ち取ったクイン・クックくらいで、優勝に貢献したニック・ヤング、ザザ・パチューリア、デイビッド・ウェスト、ジャベール・マギー、ケボン・ルーニー、パトリック・マコーはフリーエージェントになる。
コアメンバーをチームに留めるため、サラリーキャップの大半をデュラント、トンプソン、グリーンとの契約に充てることは確実。キャップスペースの残り、つまり少額の契約でもチームに戻りたいと考えるベテランたちと再契約を結ぶ、という方針に変わりはない。だが、今オフにフリーエージェントになる有力ベテランの中からは、優勝の可能性を優先し、ウォリアーズとの契約を希望する選手も出てくる。
リーグトップクラスのオフェンスのペースを誇り、3ポイントシュート、ディフェンスに優れるチームのカラーに合う選手ならば、ウォリアーズ首脳陣はベテランの入れ替えも検討するはずだ。たとえば、シャープシューターのマルコ・ベリネッリ、未完の大器と言われるナーレンズ・ノエル、ウォリアーズ最大のライバルとして立ちはだかったロケッツで主力を務めたトレバー・アリーザ、過去シックスマン賞を3回受賞しているジャマール・クロフォード、『ミスター・クラッチ』ことジョー・ジョンソンなど、今年は多くのチームが関心を示すベテランが数多く移籍市場に顔を並べる。彼らが大型契約や複数年契約よりも優勝リング獲得を優先すれば、安価の契約でもウォリアーズへの移籍を検討するだろう。なにより、他チームなら主力クラスでも、ウォリアーズでならベンチ起用を受け入れるという昨今の傾向こそ、ボーガットが指摘した王者の強みだ。
カリー、デュラント、トンプソン、グリーン、イグダーラの『死のラインナップ』に加え、そのイグダーラの穴をプレーオフ中に埋めたリビングストンと一緒にプレーするベテランたちが誰になるのか。オフの動向に注目したい。