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「これまでに対戦した中でベストプレーヤーの一人」

敵地で2連敗を喫し、ホームで仕切り直しを図ろうとしたキャバリアーズだったが、接戦の末にこの試合を落としてしまい、後がない状況に追い詰められた。

6月6日、本拠地クイックン・ローンズ・アリーナで行われた第3戦は、序盤からホームの観客を味方につけたキャブズが、ウォリアーズのペースにも打ち負けず、レブロン・ジェームズ以外のサポーティングキャストも積極的にプレーし、ペースを作っていた。

ウォリアーズでは、第2戦でNBAファイナル1試合での新記録となる9本の3ポイントシュートを決めたステフィン・カリーが不発で、第4クォーター終盤まで1本も3ポイントシュートを決められなかったものの、ケビン・デュラントが奮起。攻守両面でチームを引っ張り、デュラントの個の力だけでキャブズと対等に渡り合っていたと言っても過言ではなかった。

特に印象に残ったプレーは、第4クォーター終盤に決めたロング3ポイントシュートだ。103-100で迎えた残り49.8秒、デュラントは左ウィング手前から3ポイントシュートを成功させ、食い下がるキャブズにトドメを刺した。この3ポイントシュートは、昨年のファイナル第3戦でデュラントが決めた一発と酷似していると話題になっている。

キャブズのレブロン・ジェームズは、昨年のシリーズ第3戦でのデュラントのシュートと、この日のシュートが似ているかどうかについて、「同じシュートではない」と答えたが、プレーオフでの自己最多43得点を記録したデュラントを「これまでに対戦した中でベストプレーヤーの一人」と称えている。さらにレブロンは「彼はスコアラーであり、アサシンだ」と言う。

そのレブロンは33得点10リバウンド11アシストを記録。NBAファイナルで10回目のトリプル・ダブルを達成するも、王者の牙城を崩せなかった。今プレーオフを通じて不調だったロドニー・フッドがベンチからフィールドゴール11本中7本を決めて15得点を挙げられたのは好材料だが、ファイナルでは結果が全てだ。

ミスを減らし、高いインテンシティを持って臨んでも、ウォリアーズはチーム力と個人の力をもって、常にキャブズの上を行っている。レブロンはファイナルMVPに値するレベルのパフォーマンスを続けているものの、第3戦までの流れを考えると、8日の第4戦が今シーズン最後の試合になる可能性は否定できない。