「第7戦は何が起きてもおかしくない」
プレーオフファーストラウンド、ロケッツvsサンダーの第6戦。終盤まで接戦が続いたが、クリス・ポールがチームのラスト12点得中8得点を決める勝負強さを発揮し、104-100でロケッツを退けて対戦成績を3勝3敗のタイに戻した。
両チームともに3ポイントシュートに当たりが来ず、我慢の展開が続いた。エリック・ゴードンが3ポイントシュートのブザービーターを沈め、3点をリードして前半を終えたロケッツが最初にリズムを掴んだ。アウトサイドシュートが不調な中、ドライブを増やしラッセル・ウェストブルックとジェームズ・ハーデンが得点。さらにロバート・コビントンにも3ポイントシュートに当たりが来て、開始3分半で9点をリードした。
だが、サンダーは前半から好調なダニーロ・ガリナーリが難しいシュートを沈め試合を繋ぎ、勝負どころと察知したポールが自ら打開して食らいついた。そして、第5戦で放った9本すべての3ポイントシュートを外し、ロケッツに捨てられていたルグエンツ・ドルトが2本連続で3ポイントシュートを成功させ、77-75と逆転して最終クォーターを迎えた。
その後、再び3ポイントシュートに当たりが出始めロケッツが逆転したが、この悪い流れをポールが断ち切る。デニス・シュルーダーがオフェンスファウルを犯し、その判定にオーバーリアクションを取ったポールはテクニカルファウルをコールされた。自分が与えたフリースローを決められ6点のビハインドを背負ったが、ここから2本連続で3ポイントシュートを沈め、同点にするとともに自ら尻拭いをした。
そして、守り合いが続いて迎えた残り13秒、ポールはコビントンをクロスオーバーでかわし、シュートファウルを誘発。フリースローを2本とも沈め、2点を勝ち越した。直後、ウェストブルックが痛恨のターンオーバーを犯し、ポゼッションを得たサンダーがフリースローを沈め接戦に終止符を打った。
試合後、終盤の勝負強さについて聞かれたポールは「第4クォーターのクラッチタイム、その時間帯に輝く選手もいれば、そこで輝かない選手もいる。その中で我々は戦い続けた」と語り、大いなる自信を見せた。
サンダーの指揮官、ビリー・ドノバンはポールに対する信頼を語った。「彼はバスケットボールIQ、知性、試合を読む力など、バスケットボール選手に必要な資質を備え、だからこそ信頼されている。そして、時には信じられないほど攻撃的な選手にもなる。正しいフロアバランスの中で自分のスポットを見つければ、簡単にシュートを決められるんだ」
チームハイの28得点を挙げたポールは出場していた時間帯の得失点差を表す数値で+20を記録。他の先発メンバー4人がマイナスで、誰も+10以上を記録していないことからもポールがどれだけ試合を支配していたかが分かる。
これで対戦成績を3勝3敗に戻し、勝負は運命の第7戦にもつれた。ポールは「俺たちはただチャンスが欲しかっただけだ。第7戦は何が起きてもおかしくない」と、価値ある勝利に酔いしれた。